5歳牝馬の珍記録

9月の第2週に平場シーズンのクライマックスを迎えてしまったアイルランド、10月下旬のシーズン終了までの間、G戦は散発的に行われるのみ。
昨日の日曜日は、そうしたレースの一つがゴウラン・パーク競馬場で行われました。

soft の馬場に12頭が出走したデニー・コーデル・フィリーズ・ステークス Denny Cordell Fillies S (GⅢ、3歳上牝、1マイル1ハロン100ヤード)。英国からも2頭が遠征してきましたが、5対2の1番人気に支持されたディシプライン Discipline は地元ウェルド厩舎の3歳馬で、メンバー中最もレース経験の浅い馬。6月にナースのリステッド戦(ナース・オークス・トライアル)に勝って以来3か月の休み明けです。
9番人気(16対1)のダッチェス・アンドーラ Duchess Andorra が押して押してハナに立ちましたが、1ハロン地点からは替わって最低人気(40対1)モードリン・マグダーレン Maudlin Magdalen の逃げ。しかし再びダッチェス・アンドーラが主導権を奪い返すと、最後方から追い込む4番人気(8対1)ラガノア Laganore をギリギリ短頭差抑え込んだところがゴール。4分の3馬身差で中団から伸びた5番人気(10対1)の英国馬インティメイション Intimation (サー・マイケル・スタウト厩舎)が3着に入りました。人気のディシプラインは8番手に付けていましたが、前が詰まる不利もあって9着敗退。

勝ったダッチェス・アンドーラは、これがG戦初勝利となる5歳馬。現在は元名ジョッキーとして鳴らしたジョニー・ムルタが管理していますが、4歳の2月までは引退したヨハンナ・モーガンさんが調教してきました。
彼女の元で最後のレースとなったのが、スイスのサンモリッツ競馬場で行われた条件ステークスで、この競馬場は雪のコースが名物。世界の競馬場は芝、ダート、タペタなど様々なコースがありますが、雪のコースと言うのはスイス独特のものでしょう。この時の馬場状態は「frozen」と発表されていました。ここを何と逃げ切ったのが前調教師の元での最後のレースで、この後ムルタ厩舎に移り、ゴウラン競馬場で最初のレースに勝って2連勝。今回はそれ以来1年半振りの勝利でもありました。
今年2月、ムルタ師の元でもスイスの同じレースに参加しましたが2着。そのあとはハンデ戦とリステッド戦を行ったり来たりしていましたが、ここ2戦はG戦に挑戦。前々走のキルボイ・エステート・ステークス(GⅡ)が9着、前走スノー・フェアリー・ステークス(GⅢ)では6着となり、ここは三度目の正直でした。G戦勝馬のタイトルを手にした所で繁殖に上がるのか、現時点では未定とのことでした。

世にG戦勝馬は数あれど、雪馬場を走り、しかも勝ったというのはかなりの珍記録じゃないでしょうか。全てのG馬を調査したわけではありませんが、スイス調教馬以外では世界初と言って間違いないかも。記録マニアの助言をお願いします。

 

 

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