カラーは本命馬のハットトリック

昨日の日曜日、アイルランドのカラー競馬場で9月最後のG戦3鞍が行われました。馬場は yielding to soft と重く、前日までのニューマーケットとは趣を異にしていまた。

最初のパーク・ステークス Park S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)は10頭立て。このレースには1980年代から「C.L.Weld」という冠が付され、更に最近は「C.L.& M.F.Weld」と長く伸びていますが、これは現デルモット・ウェルド師が亡き両親(チャーリーとマルゲリート)を記念してスポンサーになっているから。今年は、そのウェルド師が管理するアガ・カーンのエジーラ Eziyra が5対4の1番人気に支持されていました。
5番人気(12対1)のエリザベス・ブラウニング Elizabeth Browning が逃げ、エジーラは3番手追走。そのままスタンド側を抜け出すと、6番手から追い込む2番人気(5対1)のグレシャン・ライト Grecian Light に2馬身差を付ける快勝で人気に応えました。7番手から伸びた6番人気(16対1)のレジティムス Legitimus が4馬身4分の1差で3着。

パット・スマーレン騎乗のエジーラは、2走前にゴルウェイで初勝利を挙げ、前走フレーム・オブ・タラ・ステークス(GⅢ)でシー・オブ・グレース Sea Of Grace の2着。今回はブリンカーを装着させてレースに集中させ、キチンと結果を出してのG戦初勝利です。ウェルド師が自身スポンサーになっているこのレースを勝つのは、1999年のセオレティカリー Theoretically 以来6度目のことで、師としては愛1000ギニーが目標とのこと。それでもスタミナ豊富な血統で、オークスにも20対1のオッズが出されました。

続いては短距離のルネサンス・ステークス Renaissance S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。去年は8月22日に行われていましたが、何故か今年は1か月以上遅れての施行となりました。9頭が出走し、混戦の中からオブライエン/ムーアのザ・ハッピー・プリンス The Happy Prince が11対4の1番人気。前走ドンカスターのパーク・ステークス(GⅡ)での2着が評価されていました。
そのザ・ハッピー・プリンス、スタートから積極的にハナに立つと、2番手を追走する6番人気(8対1)のフライト・リスク Flight Risk に4分の3馬身差を付ける逃げ切り勝ちで、こちらも人気に応えています。ハナ差で中団から伸びた2番人気(5対1)の英国馬ラ・リオハ La Rioja が3着。

今年4歳のザ・ハッピー・プリンスは、オブライエン師によれば今尚成長中とのことで、今期はこれが13戦目と忙しいシーズンを送ってきましたが、前々走ネイヴァンの5ハロン戦に続き2勝目。4歳にしてG戦を初制覇し、未だ上を見込めそうなスプリンターです。

カラーの最後は、今年アイルランドで行われる最後のGⅡ戦でもあるベレスフォード・ステークス Beresford S (GⅡ、2歳、1マイル)。オブライエン師がほぼ独占しているレースで、今年は1頭が取り消して6頭立てとなりましたが、何と4頭がオブライエン厩舎の馬たち。中でもライアン・ムーアが選んだカプリ Capri が8対11と2倍を切る1番人気に支持されていました。
結果的にペースメーカーとなった5番人気(20対1)でオブライエンではないエスケープ・クローズ Escape Clause が逃げましたが、3番手を追走したカプリが、4番に付けていた4番人気(10対1)のユカタン Yukatan に4分の3馬身差を付けてまたまた人気に応え、この日のG戦3鞍は全て本命馬が制するという順当な一日となりました。更に4分の3差で2番手でマークしていた2番人気(3対1)のエクザンプラー Exemplar が3着に入り、オブライエン厩舎が1着から3着までを独占しました。
オブライエン師はこのレース6連覇で、実に16勝目。6連覇は1996年から2001年までに続く2度目のことで、他の厩舎が付け入る余地はありません。それでも2008年には名馬シー・ザ・スターズ Sea The Stars が勝っていますから、クラシックに繋がるGⅡ戦であることに違いはありません。

今年の勝馬カプリは、カラーのデビュー戦が2着。そのあとゴルウェイの未勝利戦、ティッペラリーのリステッド戦と連勝し、これで3連勝。これまたガリレオ Galileo 産駒ですが、珍しく芦毛であるのがポイントかも。上位3頭は全てダービーが目標で、カプリに出された12対1のオッズは、現時点では同厩のチャーチル Churchill に続く2番人気となります。

 

 

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