フランスからも英ダービーに有力候補
昨日はフランスでもG戦が2鞍行われました。ロンシャンが改装中のため、サン=クルー競馬場での開催。
最初のグレフュール賞 Prix Greffulhe (GⅡ、3歳牡牝、2000メートル)は近年はサン=クルーのクラシック・トライアルとして定着しており、こちらも漸く good にまで乾いた馬場に5頭立て。去年の秋に同じサン=クルーで行われたクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)の1・2着馬が再対決するのが見所。去年は不良馬場でしたが、今回は良くなった馬場での再戦。それもあって2着だった地元のクロース・オブ・スターズ Cloth og Stars が13対10の1番人気に支持され、勝った英国(ハリー・ダンロップ厩舎)のロビン・オブ・ネイヴァン Robin of Navan が6対4で2番人気。
最低人気(20対1)のキッドメネヴァー Kidmenever が逃げ、ロビン・オブ・ネイヴァンが2番手を追走。対するクロース・オブ・スターズは後方2頭のグループというのは前回と同じ展開でした。しかし今回は馬場が回復した分、クリテリウムでは伸びきれなかったクロース・オブ・スターズの末脚が切れ、抜け出したロビン・オブ・ネイヴァンを2馬身半差し切って雪辱を果たしました。半馬身差で粘ったキッドメネヴァーが3着。
アンドレ・ファーブル厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗のクロース・オブ・スターズは、今期既にラ・フォース賞(GⅢ)に勝っており、使われていたことも有利。去年はシェーヌ賞(GⅢ)に勝った後、コンデ賞(GⅢ、3着)とクリテリウムと、二度続けてロビン・オブ・ネイヴァンの後塵を拝していましたが、良馬場と伸びた距離を味方にクラシックへの期待が高まってきました。
通常なら仏ダービーを目標にする所でしょうが、馬名の通りダービー馬シー・ザ・スターズ Sea the Stars 産駒、この勝利によりエプサム・ダービーへの追加登録も済ませました。混戦になことが必至の今年のダービー、フランスからの挑戦も脅威になりそうです。
そしてもう一鞍は、ずっと先の凱旋門賞にも繋がるデドーヴィル賞 Prix d’Hedouville (GⅢ、4歳上、2400メートル)。本来はロンシャン競馬場の一戦です。今年は7頭が揃い、G戦は未勝利ながら前走メゾン=ラフィットで2400メートルのリステッド戦に勝ったワン・フット・イン・ヘヴン One Foot in Heaven が19対10の1番人気。血統的魅力も人気の要因です。
ここも最低人気(15対1)のゴールデン・ウッド Golden Wood が逃げましたが、後方3頭を形成していた本命ワン・フット・イン・ヘヴンが期待通りの末脚で伸び、3番手追走の2番人気(27対10)ハーレム Harlem を1馬身差し切って優勝。頭差で2番手を進んでいた4番人気(73対10)のグレイ・ライオン Grey Lion が3着。
アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のワン・フット・イン・ヘヴンは、去年3歳時にはドーヴィルのポリトラックで勝っていた馬でしたが、今期はリヨンの一般ステークスで3着したあと前走のリステッド戦勝ち。
これなら普通の上がり馬ですが、何と言っても注目は母がチャンピオン・ステークスを制したプライド Pride であること。プライドと言えば凱旋門賞で2着、我がディープインパクトに先着したことを記憶に留めている方も多いでしょう。これからの成長次第では、今年の凱旋門賞で日本馬の前に立ちはだかる1頭になるかも。
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