小林厩舎、ドーヴィルで2着
今シーズンのヨーロッパ競馬もそろそろ最終段階に入ってきましたが、昨日はフランスのドーヴィル競馬場でレゼルヴォアール賞 Prix des Reservoirs (GⅢ、2歳牝、1600メートル)が行われました。毎年秋のドーヴィルで行われる2歳牝馬G戦です。
馬場は good 、8頭が出走してきましたが、先ず目に入ったのが「S Kobayashi」の文字。そう、日本人として初めてフランスで調教師の資格を取った方で、その小林智師がターフ・ローレル Turf Laurel という馬を出走させてきました。先月シャンティーの未勝利戦に初出走して2着したばかりの馬で、この日のメンバーでは只1頭の未勝利馬。当然ながら人気は無く、186対10の5番人気でした。
ヘッド、デュプレ、ルジェといった錚々たる厩舎がG戦初勝利を目指して送り込んできた馬たちの中で、5対2の1番人気に支持されたのはジャン=クロード・ルジェ厩舎のオンザムーンアゲイン Onthemoonagain 。ボルドーとカーニュ、地方競馬ながら2戦2勝の無敗馬です。
小林厩舎のターフ・ローレルがアレクシス・バデルを背にスタートからハナに立つと、逃げ、逃げ、そして逃げ。あわや逃げ切りかと思われましたが、中団から先行と脚を伸ばした6番人気(26対1)のメレジーナ Melesina が遂にゴール前1ハロンで逃げ馬を捉えると、ターフ・ローレルに1馬身4分の1差を付けて優勝。小林厩舎は大健闘の2着で、フランスの全競馬をチェックしたわけではないので確信はありませんが、師の管理馬がG戦で入着したことを報告できるのは初めてじゃないでしょうか。
人気のオンザムーンアゲインは中団を進み、最後で何とか前を捉えて1馬身半差の3着。ヘッド厩舎は4着、デュプレ厩舎も6着とターフ・ローレルの後塵を拝しました。
勝ったメレジーナは英国からリチャード・ファヘイ師が送り込んだ馬で、ティエリー・ジャルネ騎乗。これが8戦目と経験を積んだ馬で、4月のビヴァリーでデビューし、チェスター、ナースと一般戦に使うも未勝利。勝てないままロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークス(GⅢ)に挑戦するも8着。更にカーライルでの3着で初めて掲示板に載り、6戦目に漸くビヴァリーの7.5ハロン未勝利戦で初勝利を挙げました。
前走エアのハンデ戦で初めて1マイルを経験して6着、昨日のドーヴィル遠征が2勝目にしてG戦初勝利となります。ファヘイ師によると長距離タイプとのことで、3歳になって距離が延びれば、これまで以上の成績を残すかもしれません。父ダーク・エンジェル Dark Angel はミドル・パークとミル・リーフに勝った短距離馬。母も長距離に実績があるわけではありませんが、ファミリーを2代・3代と遡るとエラ=マナ=ムー Ela-Mana-Mou (キングジョージ、凱旋門賞3着)、バステッド Busted (キングジョージ)が配合されており、スタミナ系の根拠になっているようです。
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