ハイレヴェルの英国短距離戦

昨日の土曜日、アイルランドでは2000ギニーが、アメリカではプリークネスが、ということで話題には事欠きませんでしたが、ここは冷静に英国から始めましょう。

ヘイドック・パーク競馬場で行われたのがテンプル・ステークス Temple S (GⅡ、3歳上、5ハロン)。雨で馬場は good to soft 、所により soft となったため5頭が取り消し。それでも11頭が出走し、流石にGⅡ戦らしいレヴェルが揃いました。
去年のナンソープ・ステークス(GⅠ)の勝馬で、G戦に3勝しているメッカズ・エンジェル Mecca’s Angel がイーヴンの1番人気。これが今期初戦ですが、去年は僅か3戦して2勝2着1回と照準を定めてくるタイプ、休み明けでもキッチリ仕上がっている筈です。

最低人気(50対1)のフスティネオ Justineo が逃げましたが、2ハロン地点からはメッカズ・エンジェルが替って先頭。内ラチ沿いに押し切りを図りましたが、先行グループの中から3番人気(8対1)のプロフィタブル Profitable が追い上げ、最後は首の上げ下げ。ゴールではプロフィタブルが首差でメッカズ・エンジェルを捉えていました。
本命馬が内ラチと外のプロフィタブルに挟まれて一瞬追うのを止めるシーンがありましたが、着差が首ということで入線通り確定しています。もしハナ差か頭差なら審議となって順位変更になったかもしれない、というのがメッカズ・エンジェルのドッズ調教師の見解です。2馬身4分の1差で、やはり先行していた4番人気(9対1)のワーディー Waady が3着。

クライヴ・コックス厩舎、アダム・カービー騎乗のプロフィタブルは、これでギニー開催で行われたパレス・ハウス・ステークス(GⅢ)に続きG戦2連勝。去年は唯一度挑戦した6ハロンのナンソープでメッカズ・エンジェルの10着と大敗しており、5ハロンなら互角に戦えることを証明して見せた形でしょう。ここを叩いてロイヤル・アスコットのキングズ・スタンド・ステークスでGⅠ初制覇を目指すのは予定の路線です。
日本では1000メートルも1200メートルも同じ短距離の枠に入ってしまいますが(一昔前までは1600メートルも短距離特別という呼称でしたっけ)、短距離王国のイギリスでは5ハロンと6ハロンは別。夫々にスペシャリストがいる半面、どちらもこなすタイプが出るのも事実です。

 

 

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