ニューマーケット・ジュライ・ミーティング初日

今週の水曜日から金曜日まで、7月9~11日はニューマーケットのジュライ・ミーティングです。去年の日記でも毎日レポートしましたし、このコースについても何度か書いていますから繰り返しません。
パターン・レースは毎日2レースづつ、計6鞍。開催の目玉は最終日のジュライ・カップ、スプリントのチャンピオンシップですね。
昨日の初日の結果。
チェリー・ヒントン・ステークス(GⅡ、2歳牝、6ハロン)は8頭立て。去年のこのレースをユーアーソースリリングで制したオブライエン厩舎のハート・シェイプト Heart Shaped が1番人気に支持されましたが、4着に終わっています。
勝ったのは14対1の人気薄、プリーズ・シング Please Sing 。ミック・シャノン厩舎、エドワード・クレイトン Edward Creighton が騎乗していました。
シャノン師の期待の高い馬。ロイヤル・アスコットのアルバニー・ステークスでは利なく惨敗していましたが、この日は雨も味方につけ、後方から坂の登りで一気に加速して快勝しました。
2着は4分の3馬身差で先行して粘り込んだアート・プリンセス Art Princess 、これは10対1。更に1馬身遅れて3着のアーラ・ウォサール Ahla Wasahl も25対1という穴馬でした。
GⅡにしてはレヴェルがやや下という前評判でしたが、上位入線馬たちの将来性はどうでしょうか。
シャノン厩舎は勝った馬を含めて3頭出しで臨みましたが、最も期待していたクィーン・メアリ4着馬ラッキー・レイ Lucky Leigh は5着と期待を裏切ってしまいました。
フォルマウス・ステークス(GⅠ、3歳上牝、1マイル)は、近年GⅠに格上げされた、1マイルで3歳と古馬の牝馬たちが激突するレース。
前評判では、去年の仏1000ギニー馬ダージナ Darjina が人気を集めていましたが、フランスからイギリスに渡るフェリーが嵐のため6時間待機、結果として18時間も馬房に缶詰を強いられた由。その上、ニューマーケットは予報以上に雨が降ったために Good to soft の馬場。ロワイヤー=デュプレ師の判断で直前に出走を取り消してしまいました。
結果として11頭立て、古馬6頭対3歳馬5頭という構図になりました。人気はスタウト厩舎のへヴンリー・セント Heavenly Sent に集まりましたが、3着に惜敗。
勝ったのは3歳の芦毛馬ナフード Nahoodh でした。2着も3歳でインフォーリブル Infalible が1馬身4分の3。2着と3着の差は4分の3馬身。結果論ですが、3歳が強かった、ということです。
ナフードは、1000ギニーでは前が塞がる不利で5着、愛1000ギニーも運なく7着。ここで馬主も厩舎も替わり、マーク・ジョンストン師の管理下に。
新コンビの前走コロネーション・ステークスは6着と、やや評価を落としていました。
しかしここはデットーリ騎乗で見事に雪辱。今シーズンは出遅れていたジョンストン厩舎に朗報をもたらしてくれましたね。
ジョンストン師は、“One swallow doesn’t make a summer”という格言を引用し、“先週土曜日の4勝こそツバメ、いよいよウチにも夏が来た!”と、復活宣言を発しています。
今年のフォルマウスは多士済々。アイルランドからボルガー師が送り込んだ常連フィンシール・べオは7着、ドイツ1000ギニーを制してチャレンジしたブリセイダ Briseida は5着。はるばるニュージーランドから遠征してきたシーチェンジ Seachange が4着と、真に国際的なメンバーが揃っていたのです。
ニュージーランドから飛来したグリーム・サンダー調教師 Graeme Sanders によれば、シーチェンジはこれで引退、繁殖に入るそうですね。
重馬場が苦手の同馬が4着と健闘したことに大満足。“これが彼女の「白鳥の歌」さ、”と上機嫌でした。
ということで初日のフォルマウス、ツバメと白鳥の共演が聞かれました。

 

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