またしても降着となったサラトガ

昨日のアメリカは、日曜日でもサラトガとデル・マーで一鞍づつのG戦が行われています。共にGⅠ戦。

サラトガ競馬場のGⅠは、かつてはニューヨークの牝馬三冠を構成していたコーチング・クラブ・アメリカン・オークス Coaching Club American Oaks (GⅠ、3歳牝、9ハロン)。ある意味ではケンタッキー・オークスより権威が高かった3歳牝馬チャンピオン決定戦ですが、BCシリーズ導入に伴ってサラトガに移管されてからは、秋へのステップという印象が強くなってしまいました。
今年は1頭が取り消して7頭立て。かつてのチャンピオン決定戦に相応しくエイコーン・ステークス(GⅠ)、マザー・グース・ステークス(GⅠ)、それにブラック=アイド・スーザン・ステークス(GⅡ)の勝馬が揃う豪華版。エイコーンの覇者カーラライナ Curalina が4対5の1番人気。
レースは大外8番枠発走の2番人気(5対2)アイム・ア・チャッターボックス I’m a Chatterbox がスタートから飛ばして先頭、カーラライナは4番手から3番手、第3コーナー手前では2番手に上がって直線では外から逃げ馬に並び掛けます。しかし最後まで渋太く粘ったアイム・ア・チャッターボックス、ゴールでは辛うじてハナ差を守って先頭でゴール。2馬身差で3番人気(5対1)のマザー・グース馬インクルード・ベッティー Include Betty が最後方から追い込み、3着で入線しました。中継映像ではギリギリの逃げ切り勝ちに見えましたが、本命騎乗のジョン・ヴェラスケスから1着入線のフロラン・ジェルーに対し進路妨害の異議申し立てがあり、なるほどパトロール・フィルムの映像では2頭があわや接触と言う場面。審議の結果1・2着は入れ替わりました。
前日のサンフォード・ステークスに続いて勝馬の降着となったCCAオークス、裁決室で勝利を勝ち取ったカーラライナは、トッド・プレッチャー師の管理馬で、前走ステークス初挑戦で制したエイコーンに続くGⅠ戦2連勝。そのプロフィールは6月6日の日記で紹介しています。

一方、デル・マー競馬場からはビング・クロスビー・ステークス Bing Crosby S (GⅠ、3歳上、6ハロン)。こちらは勝馬にBCスプリントへの優先出走権が与えられるレースで、これからはBCトライアルが増えていく季節でもあります。fast の馬場に1頭が取り消して5頭立てのGⅠ戦、前走トリプル・ベンド・ステークス(GⅠ)に続いてGⅠ戦2連勝、G戦も3連勝を目指すマソキスティック Masochistic が2対5の圧倒的1番人気、ここは固いでしょうという評価です。
スタートで1番枠、2番人気(4対1)のコービーズ・バック Kobe’s Back が出遅れて万事休す。短距離での出遅れは致命的です。3番人気(9対2)のディスティンクティヴ・パッション Distinctive Passion が好スタートを決めて先頭に立ち、マソキスティックは3番手で虎視眈々。直線、計画通りに先頭に踊り出てゴールを目指した本命馬でしたが、前半4番を進んだ4番人気(11対1)のワイルド・デュード Wild Dude が外からジワリと差を詰めると、最後はマソキスティックに1馬身4分の1差を付ける逆転劇です。更に1馬身半差で出遅れたコービーズ・バックが3着に食い込みましたが、スタートさえスムーズなら、と思わせる内容でした。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のワイルド・デュードは、前走トリプル・ベンドではマソキスティックの3着だった5歳馬。去年2月のパロス・ヴェルデス・ステークス(GⅡ、6ハロン)、今年3月のサン・カルロス・ステークス(GⅡ、7ハロン)に続く三つつ目のG戦で、GⅠ戦は初勝利。もちろん優先出走権を獲得したBCスプリントが目標になるでしょう。

 

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