BCを1週後に控えたアメリカ競馬

ブリーダーズ・カップを翌週に控えたアメリカ競馬、昨日はG戦も4鞍と穏やかな週末を迎えました。ハロウィーンの大騒ぎが終わったら愈々BCということでしょう。

土曜日のベルモント・パーク競馬場は開催フィナーレでもあり、G戦は2鞍。先ずターンバック・ジ・アラーム・ハンデキャップ Turnback the Alarm H (GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)は fast の馬場に7頭が出走し、3歳馬でケンタッキー・オークス3着の実績が光るルイス・ベイ Lewis Bay が2対5の断然1番人気。
ジワッとハナを奪ったルイス・ベイ、鞍上が持ったままの余裕で直線に向くと、あとは後続を引き離す独走態勢。チョッと追っただけで6番手から伸びる5番人気(23対1)のフローラ・ドラ Flora Dora に5馬身4分の1差を付ける堂々の逃げ切り勝ちです。5番手を進んだ3番人気(6対1)のエスケンフォーマネー Eskenformoney が更に7馬身4分の1差で3着。
チャド・ブラウン厩舎、イラッド・オルティス騎乗のルイス・ベイは、2歳時の11月にアケダクトでドモワぜル・ステークス(GⅡ)に勝ち、今春はガゼル・ステークス(GⅡ)に勝ってオークスに挑戦した馬。オークス後もマザー・グース・ステークス(GⅠ)2着、前走テスト・ステークス(GⅠ)4着とGⅠ戦に続けて入着し、GⅢのここでは桁が違う印象でした。

続くボールド・ルーラー・ハンデキャップ Bold Ruler H (GⅢ、3歳上、7ハロン)は、2頭の取り消しがあって11頭立て。BCスプリントを断念した馬たちが揃う中、前走キングズ・ビショップ・ステークス(GⅠ)で2着したエコノミック・モデル Economic Model が2対1の1番人気。
1番枠から出た10番人気(39対1)のグリーン・グラット Green Gratto が逃げましたが、好スタートから5番手に控えた2番人気(4対1)のストールウォーキン・デュード Stallwalkin Dude が第4コーナーで前の2頭を外から捉えると、2番手追走から内ラチ沿いに粘る3番人気(9対2)のスリーファイヴインディア Threefiveindia に1馬身半差を付けて優勝。8番手に待機したエコノミック・モデルも内から外に出して追い込みましたが、2馬身差の3着に終わりました。
デヴィッド・ジャコブソン厩舎、ターン・バック・ジ・アラームに続いてG戦ダブルとなったイラッド・オルティス騎乗のストールウォーキン・デュードは、6歳にしてG戦初勝利となるせん馬。今期は特に好調で、フォアゴ・ステークス(GⅠ)3着に続いて前走ヴォスバー・ステークス(GⅠ)で2着。去年はヴォスバー3着の後BCスプリントに挑戦して8着に終わっていました。

一方、10月7日にオープンしたキーンランド競馬場の秋開催も、29日の土曜日がフィナーレ。ケンタッキー州は30日からチャーチル・ダウンズの第2とも言うべき秋開催に移行します。キーンランドの最終G戦はファイエット・ステークス Fayette S (GⅡ、3歳上、9ハロン)。fast の馬場に8頭が出走し、去年のスティーヴン・フォスター・ハンデ(GⅠ)を制したノーブル・バード Noble Bird がイーヴンの1番人気。
スタートから先手を取ったノーブル・バード、一時は後続に4馬身差を付ける逃げで直線に向かうと、3番手から追い上げる2番人気(4対1)のディヴァイニング・ロッド Divining Rod に詰め寄られるも再び突き放し、最後は5馬身4分の3差を付ける圧巻の逃げ切り勝ちでした。最後方から追い込んだ5番人気(11対1)のハワーコム Hawaakom が同じく5馬身4分の3差で3着。勝時計1分47秒75はコース・レコードというおまけ付きです。
マーク・カッセ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のノーブル・バードは、今期も5月にピムリコ・スペシャル(GⅢ)に勝っている5歳牡馬。そのあとメトロポリタン・ハンデ6着、ホイットニー・ステークス5着とGⅠ戦に走り、前走チャーチル・ダウンズで一般ステークス(ルーカス・クラシック・ステークス)に勝って生涯初の2連勝となりました。もちろんBCはパス、次走チャーチルのクラーク・ハンデ(11月25日)で二つ目のGⅠ制覇を目指します。

最後は、BCの舞台となるサンタ・アニタ競馬場からオータム・ミス・ステークス Autumn Miss S (芝GⅢ、3歳牝、8ハロン)。ブリーダーズ・カップは通常の開催にプラスして行われる祭典ですから、当日も通常のG戦が組まれています。firm の馬場に10頭が出走し、7頭を占めるヨーロッパ産馬の中でも前走ベルモントのアローワンス戦でアメリカ・デビューを飾ったダニロヴナ Danolovna が3対2の1番人気。
大外枠発走の2番人気(3対1)ベルヴォアー・ベイ Belvoir Bay が快調に飛ばし、ダニロヴナは後方3番手。逃げ馬が直線も良く粘っていましたが、ゴール前は追い込み勢が襲い掛かって一変。6番手に待機していた7番人気(30対1)のカヴァー・ソング Cover Song が、外から迫る本命ダニロヴナをハナ差抑えての逆転勝ち。半馬身差で後方2番手から伸びた4番人気(6対1)のバーレイシュガー Barleysugar が3着でした。直線入口で1・2着馬が接触するアクシデントがあり、本命馬に騎乗したフラヴィアン・プラット騎手が進路妨害を訴えたものの、双方が進路を変えたようにも見え、結局は入線通りで確定しています。
カーラ・ゲインズ厩舎、ケント・デサーモ騎乗のカヴァー・ソングは、これが未だ2勝目。今期初戦にサンタ・アニタの未勝利戦に勝って以来のステークス初勝利となりました。前走サンタ・アニタの一般ステークス(アンジップ・ミー・ステークス)がステークス初出走で、その時の12頭立て10着(勝ったのは今回5着に終わったベルヴォアー・ベイ)からの巻き返しです。ただ母ミスティー・フォー・ミー Misty For Me はクールモア産(エイダン・オブライエン厩舎)、愛1000ギニーなどGⅠに4勝した名牝で、そろそろ本領を発揮し始めたとも言えそうです。

 

 

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