11月26日のアメリカ競馬(2)チャーチル・ダウンズとガルフストリーム

一休みして土曜日のアメリカ競馬は、フロリダとケンタッキーを取り上げます。夫々G戦は2鞍づつ。

先ずこの時期ならではのガルフストリーム・パーク・ウエスト競馬場、共に芝コースのG戦で馬場は firm 。マイ・チャーマー・ステークス My Charmer S (芝GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)は9頭立てで、既にG戦を2勝しているイザベラ・シングス Isabella Sings が2対1の1番人気。
その本命馬、ここはスピードが違うとばかりにスタートから先頭に立つと、そのまま後方から追い込む5番人気(12対1)シー・コースト Sea Coast に1馬身4分の3馬身差を付けて堂々人気に応えました。3番手を進んでいた7番人気(17対1)のダッズ・プリンセス Dad’s Princess が2馬身半差の3着。
トッド・プレッチャー厩舎、エドガー・ザヤス騎乗のイザベラ・シングスは、3走前にモンマス・パークでイーストタウン・ステークス(芝GⅢ)に勝っており、前走は同じモンマスのヴァイオレット・ステークス(芝GⅢ)で3着。去年のミセス・レヴィアー・ステークスを加えて3つ目のG戦制覇となりました。

もう一鞍はトロピカル・ターフ・ハンデキャップ Tropical Turf H (芝GⅢ、3歳上、8.5ハロン)。1頭取り消しがあって8頭立てとなり、前走ローレルで一般ステークス(バート・アレン・ステークス)に勝って来たローズ・ブライアー Rose Brier が5対2の1番人気。
7番人気(30対1)のアプリケイター Applicator が逃げましたが、2番手でマークした本命ローズ・ブライアーがこれを捉えて先頭。直線で後方から5番人気(9対2)のラバッシュ Lubash が追い込んで本命馬を捉える勢いでしたが、トレヴァー・マカーシー騎手の左ムチを受けてローズ・ブライアーが外に寄れ、思わずラバッシュは手綱を引くアクシデント。そのままローズ・ブライアーがラバッシュに1馬身差を付けて先頭でゴールしましたが、当然ながら審議。進路妨害は明らかで、1・2着が入れ替わる裁定が下されました。1馬身4分の1差で3番手を進んでいた2番人気(5対2)のコールポート Coalport が3着。このアクシデントは先日物議をかもしていたマイル・チャンピオンシップとそっくりなケースで、降着にならなかった日本と、降着となったアメリカの審議の違いが判って面白いケースと言えそうです。
クリストフ・クレメント厩舎、ジョー・ブラーヴォ騎乗のラバッシュは、2014年にこのレースを制した9歳牡馬。1年間を開けての2勝目となります。2013年にはフォート・マーシー・ステークス(芝GⅢ)も制しており、こちらもG戦は3勝目。

ケンタッキー州のチャーチル・ダウンズ競馬場は、この日が開催フィナーレ。ケンタッキーの競馬は翌春のキーンランドまでシーズン・オフに入ります。今年の締め括りは共に2歳戦で、最初に行われたのが牝馬によるゴールデン・ロッド・ステークス Golden Rod S (GⅡ、2歳牝、8.5ハロン)。fast の馬場に12頭が揃い、前走BCジュヴェナイル・フィリーズの4着馬で、ここチャーチルでポカホンタス・ステークス(GⅢ)に勝っているダディーズ・リル・ダーリング Daddys Lil Darling が5対2の1番人気。
レースは外枠から6番人気(10対1)のファレル Farrell が飛び出しての逃げ。そのまま直線でも後続を引き離す一方で、最後方から追い込むダディーズ・リル・ダーリングに何と6馬身の大差を付けて圧巻の逃げ切り勝ちでした。8番手辺りから伸びた3番人気(4対1)のエヴァー・ソー・クレヴァー Ever So Clever が3着。
ウェイン・カタラーノ厩舎、チャニング・ヒル騎乗のファレルは、ここまでの4戦が全てチャーチル・ダウンズでのもの。デビュー戦4着の後2戦目で初勝利を挙げ、前走は一般ステークス(ラグス・トゥー・リッチズ・ステークス)で3着。ステークス2度目の挑戦でG戦初勝利を達成しました。兄にブリーダーズ・フューチュリティー(GⅠ)を制した馬が2頭もいる名門です。

チャーチルの大トリは、牡馬によるケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス Kentucky Jockey Club S (GⅡ、2歳、8.5ハロン)。アケダクトの2歳戦と同様、1着から4着まではダービーへのポイント(10-4-2-1)が加算されます。12頭が参戦し、ここチャーチルで新馬から一般ステークス(ストリート・センス・ステークス)と2戦2勝のマクラッケン McCraken が4対5の圧倒的1番人気。
大外枠発走の3番人気(9対2)アンコンテステッド Uncontested が思い切り飛ばして逃切りを図りましたが、後方3番で待機したマクラッケンが4番手まで押し上げて直線に向かうと、外から一気に前を捉え、2番手から抜け出した2番人気(4対1)のワイルド・ショット Wild Shot に1馬身4分の1差を付けて見事期待に応えました。3馬身4分の3差で、4番手を進んだ4番人気(12対1)のウォリアーズ・クラブ Warrior’s Club が3着に入って順当。
勝馬のイアン・ウイルケス厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のコンビネーションは、3日連続でのG戦制覇と絶好調。これで3戦無傷でG戦勝馬となったマクラッケンは、来年のクラシック候補としての期待が高まります。

以上、土曜競馬の途中ですが、この後は帰宅してからレポートしていくことと致します。

 

 

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