サンタ・アニタの年越し開催が開幕

今年は、カレンダーの関係で土日が丁度クリスマスに当たっていました。アメリカ競馬はイヴとクリスマスはお休みでしたが、クリスマス明けの月曜日、この日もクリスマスの祝日で、恒例の年末開催がオープンしたサンタ・アニタ競馬場で4鞍のG戦が行われています。

最初に行われたサン・シメオン・ハンデキャップ San Simeon H (芝GⅢ、3歳上、約6.5ハロン)は、本来は4月に行われるレースですが、何故か今年は12月にも行われての年2回開催。カレンダーの入れ替えが予定されているのでしょうか。いずれにしてもコース独特の下り坂で行われ、good の馬場に2頭が取り消して12頭立て。4戦続けて2着の後、前走デル・マーのアローワンス戦を勝ったリチャーズ・ボーイ Richard’s Boy が4対1の1番人気。
7番人気(11対1)のホビッツ・ヒーロー Hobbits Hero が飛ばしましたが、先団グループの最後尾6番手を進んだ5番人気(6対1)のベッティーズ・バンビーノ Bettys Bambino が前を行く5頭の大外から一気に脚を伸ばし、3番手を進んだ4番人気(6対1)のストーミー・リベラル Stormy Liberal に2馬身4分の1差を付けて鮮やかに差し切りました。頭差で後方7番手から追い込んだ人気のリチャーズ・ボーイが3着。
ピーター・ユートロン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のベッティーズ・バンビーノは、何と22か月振りの実戦となる6歳せん馬。去年は2月に一般ステークスに勝ったたげけの戦績で、その前は一昨年のデイトナ・ステークス(司馬GⅢ)というのですから驚きます。大きな休みを二度も挟んでの5連勝は、陣営の忍耐力の賜物でもありましょう。

この後は今年最後のGⅠ戦が二鞍続きます。年も押し詰まって尚も3歳馬限定のGⅠ戦が行われるというのが如何にもアメリカ競馬で、日本やヨーロッパでは有り得ない競馬番組と言えるでしょう。先に行われたのが牝馬のラ・ブレア・ステークス La Brea S (GⅠ、3歳牝、7ハロン)で、fast の馬場に8頭立て。前走キーンランドのレイヴン・ラン・ステークス(GⅡ)でG戦初勝利を挙げたライトストリーム Lightstream が余勢を駆って9対5の1番人気。
同じオッズで2番人気のフィンリーズラッキーチャーム Finley’sluckycharm がダッシュ良く飛び出し、そのまま逃げてゴール直前まで粘りましたが、3番手から2番手へと順位を上げてきた6番人気(12対1)のコンステレーション Constellation がジワリと差を詰め、最後は半馬身抜け出したところがゴール。5番手を進んだ3番人気(9対2)のエノラ・グレイ Enola Gray が3馬身差の3着に入り、ライトストリームは後方2番手待機も5着に終わっています。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のコンステレーションは、これがG戦初勝利。2歳時にはニューヨークでスティーヴン・アスムッセン厩舎に所属し、スピナウェイ・ステークス(GⅠ)3着、メイトロン・ステークス(GⅡ)2着とG戦でも好勝負していた馬。前走からホーレンドルファー師の元に転じ、新天地ではターフ・パラダイス競馬場の一般ステークス(シティー・オブ・フェニックス・ステークス)優勝に続き、ステークス2連勝となりました。当初はデヴィッド・フローレスが騎乗予定でしたがフライトが遅れ、急遽プラット騎手に乗り替わったもの。

そして今年最後のアメリカGⅠがマリブー・ステークス Malibu S (GⅠ、3歳、7ハロン)。1頭が取り消して9頭立てとなり、何故か前走サンタ・アニタでアローワンス戦を勝ったばかりのテン・ブレッシングス Ten Blessings が8対5の1番人気。
先手を取ったのは6番人気(21対1)のジャッジー・タイムス Jazzy Times でしたが、やがてジョイント3番人気(4対1)のシャープ・アズテカ Sharp Azteka がリードを奪って直線。しかし前半4番手に控えた2番人気(7対2)のマインド・ユア・ビスケッツ Mind Your Biscuits が第4コーナーで2番手に上がると、直線は外から逃げるシャープ・アズテカを捉え、最後は同馬を半馬身差し切っての優勝。2馬身4分の1差で5番手を進んだ本命テン・ブレッシングスが3着に追い込みました。
ロバート・ファルコーン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のマインド・ユア・ビスケッツは、先月のBCスプリントで3着に食い込んだ馬で、これがファルコーン共々GⅠ戦初勝利。7月のサラトガでアムステルダム・ステークス(GⅡ)に勝ったのが、ファルコーン師にとってもG戦初勝利でもありました。アムステルダムのあとはキングス・ビショップ(GⅠ)5着、ギャラント・ボブ(GⅢ)2着を経てBC挑戦。来年はGⅠ勝ちの古馬として短距離界を賑わす存在になるでしょう。

サンタ・アニタ初日の最後は、マティス・ブラザーズ・マイル Mathis Brothers Mile (芝GⅡ、3歳、8ハロン)。1頭が取り消して10頭立てとなり、アメリカのG戦勝馬を抑えて9対5の1番人気に支持されたのは、カナダからやってきたコンクェスト・エンフォーサー Conquest Enforcer 。9月にベルモントの一般ステークス(アライド・フォーシズ・ステークス)に勝ってアメリカ・デビューを果たしています。
そのコンクェスト・エンフォーサーがスタートから先手を奪い、ペースを落として直線。そのまま内ラチ沿いギリギリを取って後続を寄せ付けず、後方3番手から追い込む5番人気(7対1)のミッターシュティル Mitterstill に1馬身4分の1差を付ける逃げ切り勝ちで人気に応えました。6番手を進んだ6番人気(10対1)のムーンライト・ドライヴ Moonlight Drive が追い込んで半馬身差の3着。
フィリップ・ダマト厩舎、ラ・ブレアに続いてG戦ダブルとなるフラヴィアン・プラット騎乗のコンクェスト・エンフォーサーは、これがカリフォルニア・デビューで、G戦は初勝利。前々走ベルモントでのデビュー勝ちの後、前走はカナダに戻って現地のGⅡ戦(ネアークティック・ステークス)で3着していました。前走まではカナダでマーク・カッセ師が管理してきましたが、先月のディスパーサル・セールで新たなチームが購入しての新天地。来年は芝のBC戦を目指す1頭に成長してくるでしょう。

さてアメリカ競馬、来週は大晦日・元旦・2日の3日間連続G戦となります。次のブログ更新は元旦になりますので、年内の競馬ブログはこれで終了となりりました。また来年、正月早々の更新となる予定です。皆様良いお年を!

 

 

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