週末はフロリダで競馬

この週末、話題は何と言ってもフロリダでしょう。もちろん競馬の話ですよ。同州の二つの競馬場で夫々3鞍づつのG戦が組まれ、あとはカリフォルニアです。

2月11日、先ずトランプ大統領の所有するゴルフ・コースから更に95号線を真っ直ぐに軟化した所にあるのがガルフストリーム・パーク競馬場。先ずはここからのレポートです。最初のスワニー・リヴァー・ステークス Suwannee River S (芝GⅢ、4歳上牝、9ハロン)は firm の馬場に1頭が取り消して9頭立て。2015年のこのレース勝馬で、前走マーシュアズ・リヴァー・ステークス(GⅢ)も制して好調のサンディーヴァ Sandiva が6対5の1番人気。
最低人気(60対1)のカリ・サーティー・セヴン Cali Thirty Seven が逃げましたが、4番手を進んだ2番人気(9対2)のディッキンソン Dickinson が一呼吸下げて直線では内ラチ沿いギリギリを衝いて一気に突き抜け、最後方から大外を追い込む3番人気(9対2)のエリシーズ・ワールド Elysea’s World に1馬身4分の1差を付けて優勝。6番手から伸びたサンディーヴァは頭差届かず3着留まりでした。
キアラン・マクローリン厩舎、パコ・ロペス騎乗のディッキンソンは、前走サンディーヴァが勝ったマーシュアズ・リヴァーでは4着でしたが、その前は2連勝で、前走がG戦初挑戦でした。ゴドルフィン所有の自家生産5歳馬。人気で負けたサンディーヴァは、これで引退して繁殖に上がります。

続いては、今年最初の芝コースで行われるGⅠ戦のガルフストリーム・パーク・ターフ・ハンデキャップ Gulfstream Park Turf H (芝GⅠ、4歳上、9ハロン)。8頭立てとなり、去年5月にチャーチルでターフ・クラシックを制したGⅠ馬ディヴィジデロ Divisidero が2対1の1番人気。前走同じガルフストリームで休み明けのフォート・ラウダーデール・ステークス(芝GⅡ)で3着し、叩かれて2戦目と万全。
2番人気(5対2)のビーチ・パトロール Beach Patrol が逃げ、ディヴィジデロは早めに動いて3番手に押し上げます。しかし前半は後方3番手に控えていた3番人気(3対1)のアルマナー Almanaar が第4コーナーで大外に持ち出すと、逃げるビーチ・パトロールを4分の3馬身捉えて優勝。しかしビーチ・パトロールは最後の競り合いで寄れて後続の進路を妨害したため4着降着となり、最後方から追い込む6番人気(15対1)のオール・インクルーデッド All Included が2着に繰り上がり。首差で4番手を進んだ7番人気(22対1)のウォー・コケスポンダント War Correspondent も3着に繰り上がりました。ディヴィジデロは伸びを書いて6着敗退。
チャド・ブラウン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のアルマナーは、フランスでGⅢ戦を2連勝(ポール・ド・ムーサック賞、ダフニス賞)していた5歳せん馬で、これがアメリカでの4戦目で初勝利。前走フォート・ラウダーデールでは本命馬に先着の2着していました。G戦3勝目で、アメリカで初挑戦のGⅠ戦に初勝利。これまたシャドウェル・スタッドの自家生産馬です。

ガルフストリームの最後はガルフストリーム・パーク・ハンデキャップ Gulfstream Park H (GⅡ、4歳上、8ハロン)。去年は3月第1週に施行されていましたが、今年は2月に前倒しとなりました。fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。GⅢ戦に3勝し、前走もガルフストリームでハルズ・ホープ・ステークス(GⅢ)を制しているトミー・マチョ Tommy Macho が8対5の1番人気。
レースは去年の勝馬で6番人気(18対1)のプロフェルド Blofeld が逃げて2連覇に賭けましたが、2番手を追走した2番人気(2対1)のシャープ・アズテカ Sharp Azteca が第3コーナーで早くも先頭を奪うと、後方2番手から追い込む4番人気(6対1)のオウサム・スルー Awesome Slew に4馬身半差を付ける圧勝劇となりました。3番手に付けていた人気のトミー・マチョは更に3馬身差の3着に終わり、プロフェルドは7着で連覇成らず。
ホルヘ・ナヴァロ厩舎、エドガー・ザヤス騎乗のシャープ・アズテカは、3歳時の去年5月にパット・デイ・マイル(GⅢ)を制しており、去年の暮れにはマリブー・ステークス(GⅠ)でGⅠ戦に初挑戦して2着。4歳初戦を見事G戦勝ちで飾りました。

続いては、同じフロリダ州でガルフストリーム・パークより西に位置するタンパ・ベイ競馬場でもG戦が3鞍行われています。先ずは firm の芝コースで行われたタンパ・ベイ・ステークス Tampa Bay S (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)は1頭が取り消しての9頭立て。前走11月のアケダクトで一般ステークス(ジオ・ポンティー・ステークス)を制したカタパルト Catapult が5対2の1番人気。
4番人気(4対1)のターボ・ストリート Turbo street が逃げましたが、4番手を追走した3番人気(7対2)のインスペクター・リンレー Inspector Lynley が内から外に出して追い込み、後方3番手から更に外を回って追い込む2番人気(5対2)のカサキー Kasaqui を半馬身抑えて優勝。更に半馬身差で2番手追走の8番人気(19対1)アイリッシュ・ストレイト Irish Strait が3着に入り、人気のカタパルトは3番手追走の儘4着に終わっています。
クロード・マゴーヒー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のインスペクター・リンレーは、去年9月にサラトガでサラナック・ステークス(芝GⅢ)を制しており、これが二つ目のG戦勝利となる明け4歳馬。前走は大晦日、トロピカル・パーク・ダービー(一般ステークス)で5着に終わっていました。

次のサム・F・デイヴィス・ステークス Sam F. Davis S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)はクラシック・トライアルの一つ。fast の馬場に9頭が出走し、目下3戦無敗のマクラッケン McCraken が3対2の1番人気。
6番人気(11対1)の伏兵ステート・オブ・オナー State of Honor が逃げて観衆を沸かせましたが、後方2番手に待機したマクラッケンが大外から期待通り追い込むと、5番手から伸びた5番人気(9対1)のタプリット Tapwrit に1馬身半差を付けて堂々人気に応えました。逃げたステート・オブ・オナーが1馬身差で3着。勝時計の1分42秒45はトラック・レコードです。
イアン・ウイルケス厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のマクラッケンは、これで4戦4勝。前走11月のケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)に続くG戦2連勝で、クラシック路線に乗ってきました。未だ底を見せていないのが魅力。

タンパのラストは、芝コースのエンデヴァー・ステークス Endeavour S (芝GⅢ、4歳上牝、8.5ハロン)。4頭も取り消しが出て7頭立てとなり、一昨年、去年と毎年G戦に勝ち、既にG戦に3勝しているイザベラ・シングス Isabella Sings が1対2の断然1番人気。
そのイザベラ・シングス、ここは格が違うとばかりにハナを奪って大きなリードをとると、そのまま2番手を追走する2番人気(3対1)のライト・イン・パリ Light In Paris に3馬身差を付けて文句の無い逃げ切り勝ちでした。無欲に最後方から追い込んだ5番人気(27対1)のエヴィデントリー Evidently が1馬身半差の3着。
トッド・プレッチャー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のイザベラ・シングスは、去年の最終戦となる11月のマイ・チャーマー・ステークス(芝GⅢ)に優勝。今期初戦は、この日ガルフストリームのスワニー・リヴァー・ステークスに参戦していたサンディーヴァの3着していました。同馬はこのレースを最後に引退、アンクル・モー Uncle Mo と配合することが決まっているそうです。

一方、カリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場でも古馬のG戦2鞍。最初のサンタ・マリア・ステークス Santa Maria S (芝GⅡ、4歳上牝、8.5ハロン)は wet fast の馬場に6頭立てで、去年秋から3連勝中のヴェール・ドーリ Vale Dori が1対5の1本被りで大本命。
逃げる4番人気(8対1)ミッドナイト・トースト Midnight Toast を2番手でマークしたヴェール・ドーリ、第3コーナーで早々と先頭に立つと、最後方から追い込む2番人気(6対1)のショー・スティーラー Show Stealer に1馬身4分の3差を付けて危なげなく人気に応えました。3馬身4分の3差が開いて、4番手を進んだ5番人気(30対1)のオータム・フラワー Autumn Flower が3着。
ボブ・バファート厩舎、マイク・スミス騎乗のヴェール・ドーリは、アローワンス戦のあとバヤコア・ハンデ(GⅡ)、ラ・カニャーダ・ステークス(GⅡ)と3連勝し、これで4連勝とし、G戦も3連勝。改めてプロフィールに付け加えることも無いでしょう。古馬牝馬ではチャンピオン2頭、ソングバード Songbird とステラー・ウインド Stellar Wind に次ぐ第3の馬と言って良さそうです。

土曜日の最後はアルカディア・ステークス Arcadia S (芝GⅡ、4歳上、8ハロン)。good の芝コースに5頭が出走し、前走12月末にマティス・ブラザーズ・マイル(芝GⅡ)に勝っているコンクエスト・エンフォーサー Conquest Enforcer が6対5の1番人気。
逃げたのはGⅠ馬ながら3番人気(5対1)のワット・エイ・ヴュー What a View 、これをコンクエスト・エンフォーサーが2番手で追走する展開。しかし3番手に付けていた4番人気(6対1)のボロ Bolo が第4コーナーでは一旦下がりながらも、直線では外に持ち出して前の2頭を捉え、逃げたワット・エイ・ヴューを頭差捉える逆転劇でした。4分の3馬身差で人気のコンクエスト・エンフォーサーは3着まで。
カーラ・ゲインズ厩舎、サンタ・マリアに続いてダブルとなるマイク・スミス騎乗のボロは、去年のこのレースを制しており2連覇達成。去年はアルカディアの後フランク・キルロー・マイル(芝GⅠ)2着と健闘しましたが、そのあとはチャーチルのターフ・クラシック(芝GⅠ)で10着、エディー・リード・ステークス(芝GⅡ)も9着と大敗しており、今回は7月以来の休み明けでの快挙となりました。

 

 

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