2017フランス平場G戦が開幕

3月20日、フランスでは今シーズン最初のG戦が行われました。英国では2月にウィンター・ダービー(GⅢ)が行われましたが、芝コースで行われるG戦はヨーロッパではフランスが一番乗りです。

例年通り、シーズン到来を告げるのは、サン=クルー競馬場のエクスバリー賞 Prix Exbury (GⅢ、4歳上、2000メートル)。未だ春浅い時期とあって馬場はいつものように soft 。出走すれば2番人気になる筈だったアラインメント Alignement が取り消して9頭立てとなりました。9頭の内、既に今期レースを使われているのが3頭(内2頭は2戦2勝)で、残る6頭は正にシーズン初戦となります。
注目は去年のクラシック戦線を賑わしたゴドルフィンのクロース・オブ・スターズ Cloth of Stars で、G戦に2勝している実績から7ポンドのペナルティーを背負っていましたが、ここでは期待感もあって8対5の1番人気。去年のパリ大賞典以来という久し振りを克服できるかが課題でしょう。

レースは英国から遠征した最低人気(40対1)のレストラー Restorer が逃げ、クロース・オブ・スターズは後方3頭の中の1頭。しかし外を回ってスパートした本命馬、残り300メートルで一気に突き抜けると、中団から追い縋る6番人気(104対10)のスター・ヴィクトリー Star Victory に1馬身4分の1差を付けて堂々人気に応えました。2番手を追走していたドイツからの遠征馬で7番人気(193対10)のカフェ・ロワイアル Cafe Royal が3馬身半差の3着。
上記のようにクロース・オブ・スターズは明け4歳馬で、このレースを4歳馬が制したのは2009年以来8年振りのこと。アンドレ・ファーブル厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗で、ゴドルフィンの期待を背負っています。
3歳時はラ・フォース賞(GⅢ)とグレフュール賞(GⅡ)に連勝してエプサム・ダービーに挑みましたが、利あらず8着敗退。地元に帰ってパリ大賞典で3着したのがシーズン終戦となり、ここまで休養していました。別に故障したわけではなく、そもそも小柄な馬だけに、ファーブル師もゴドルフィンも無理はさせたくなかったのでしょう。順調に休み明けとペナルティーを克服したクロース・オブ・スターズ、時期尚早ながら凱旋門賞に向けて視界良好といったところでしょうか。

ところでこの日はクラシックに繋がる1マイルのリステッド戦が2鞍行われています。リステッドなので簡単に触れておくと、
牡馬によるオムニアムⅡ世賞は、1番人気に推されたルジェ厩舎のマーカジ Markazi が順当に優勝。一方、牝馬のラ・カマルゴ賞は英国(ファヘイ厩舎)から遠征したメレジーナ Melesina が勝って、去年秋のレゼルヴォアール賞(GⅢ)勝ちがフロックではなかったことを証明しました。
いずれにしても、ヨーロッパの平場シーズンが本格的にスタートするのは来月。それから僅か1か月で、各国のギニーが一気に本番を迎えることになります。

ということで、本欄も忙しい1年が始まることになりますネ。

 

 

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