オリヴィエ・ペリエのG戦ダブル

第25代フランス大統領が無事エマニュエル・マクロンに決まった翌日、5月8日の月曜日にはサン=クルー競馬場でG戦が2鞍行われました。雨だったのでしょうか、馬場は very soft 。

グレフュール賞 Prix Greffulhe (GⅡ、3歳牡牝、2000メートル)はもちろん英仏両ダービーのトライアルとなるGⅡ戦で、2011年にはアンドレ・ファーブルがプール・モア Pour Moi で勝ち、エプサムのダービーも制したのは記憶に新しい所でしょう。今年は5頭が参戦。
そのファーブル師、このレースを最多の12勝もしていることもあって、今年もファーブル厩舎2頭のマッチレースと思われていました。1頭はディープインパクト産駒でシェーヌ賞(GⅢ)に勝ったアキヒロ Akihiro 、もう1頭が去年のクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)勝馬のヴァルドガイスト Waldgeist です。
アキヒロは今期既にノアイユ賞(GⅢ)に出走して2着という使われた利がありましたが、ここはGⅠ馬の力が上という評価でヴァルドガイストが11対10の1番人気、アキヒロは8対5で2番人気でした。

逃げたのは4番人気(165対10)のモンリール Monreal でしたが、2番手に付けたヴァルドガイストが残り2ハロンで先頭。しかし後方2番手から鋭く伸びた3番人気(7対2)のレコレトス Recoletos で、ゴールではヴァルドガイストに2馬身半差を付けていました。最後方から猛然と追い込んだアキヒロは頭差届かず3着。
レコレトスの勝利に驚いたのは、何よりも管理するクリストフ・ラッフォン=パリアス師。2歳時はシャンティーのポリトラックコースでのデビュー戦で10頭立て9着という散々な結果のみでしたが、3歳初戦3月のフォンテンブロー(2200メートル)で初勝利。続く4月サン=クルーの条件戦(2100メートル)も連勝し、いきなりのステップアップでの快挙。ここまで全てオリヴィエ・ペリエとのコンビでレースに臨んできました。ペリエ騎手は、このレース3勝目。
父はジャック・ル・マロワ賞とモーリス・ド・ギースト賞に勝ったスプリンター/マイラーのホイッパー Whipper ということで距離に不安は残りますが、仏ダービーに10対1のオッズが出されました。しかし現時点では登録が無く、追加登録料を支払っての参戦になるでしょう。因みにロイヤル・アスコットのキング・エドワード7世ステークスには登録があるそうです。

月曜日のもう1鞍は、何れは凱旋門賞を目指すという馬たちによるデドーヴィル賞 Prix d’Hedouville (GⅢ、4歳上、2400メートル)。6頭が出走し、このレースも10勝と最多勝を誇るファーブル厩舎のタリスマティック Talismatic が14対5の1番人気。去年の仏ダービー4着、パリ大賞典5着、凱旋門賞は11着で、今期はサン=クルーのリステッド戦(ポルト・ド・マドリッド賞)で2着し、続くメゾン=ラフィットのリステッド戦(ロード・セイマー賞)に勝って準備万端です。
レースはタリスマティックがスローペースに落として逃切りを図りましたが、3番手を進んでいた2番人気(14対5)のティベリアン Tiberian が残り100ヤードで本命馬を捉えると、1馬身差を付けて優勝しました。後方2番手から追い込んだ4番人気(7対1)のウェイ・トゥー・パリ Way To Paris が、1馬身4分の3差で3着。

勝ったティベリアンを管理するのはアラン・クエティル師。騎乗したのはグレフュールに続いてオリヴィエ・ペリエで、このレースも自身3勝目となりました。ペリエ騎手は、別々の厩舎の馬でのG戦ダブルとなります。
ティベリアンは去年のこのレースにも参戦して4着だった5歳牡馬で、去年はこのあとロイヤル・アスコットのゴールド・カップに遠征して17頭立ての14着と大敗。秋はドイツのバーデン大賞典(GⅠ)で4着、コンセイユ・ド・パリ賞(GⅡ)2着でシーズンを終え、今期は上記ポルト・ド・マドリッド賞でライヴァルのタリスマティックを破って優勝していました。その時の着差は3馬身でしたから、今回は2馬身ほど差が縮まったことになります。いずれにしても同馬のG戦は初勝利。
今期はアスコットへは行かず、サン=クルー大賞典が当面の目標。夏場は休養し、秋はメルボルン・カップを目指すという青写真を描いているそうです。

 

 

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