雲に呑み込まれた二冠の夢

今日のアメリカ競馬レポートは先ずプリークネス・ステークスの結果を単発で取り上げ、他のG戦は稿を改めて纏めることにしましょう。

ということで、5月20日にピムリコ競馬場で行われた プリークネス・ステークス Preakness S (GⅠ、3歳、9.5ハロン)。
昨日のレポートで紹介したように、ブラック=アイド・スーザン直前に大雨が降って sloppy に悪化したメイン・コース、この日は稍重の good からスタートし、プリークネスの前には fast にまで回復していたようです。
出走馬は10頭とダービーからは激減し、ダービー組では1・2・4・7・11着の5頭、初めてクラシックに挑む新メンバー5頭という構成でした。レース前の評価は、もちろんダービー1・2着馬の2強対決で、ダービー馬オールウェイズ・ドリーミング Always Dreaming が6対5の1番人気、対する2着クラシック・エンパイア Classic Empire が2対1の2番人気で続きます。

レースもシンプルそのもの。10頭きれいに揃ったスタートから、予想通り二冠が掛かるオールウェイズ・ドリーミングがハナを切り、クラシック・エンパイアがピタリとマークして2番手。馬券通り2強対決に持ち込まれる流れでしたが、第3コーナー過ぎからクラシック・エンパイアが本命馬を捉えに掛かると、二冠の夢は早くも雲散霧消。オールウェイズ・ドリーミングはダービーで見せたガッツを見せることなく後退するだけ。
単独先頭に立ったクラシック・エンパイアは後続を3馬身引き離し、そのまま押し切るかに見えましたが、3番手を追走していた6番人気(13対1)のクラウド・コンピューティング Cloud Computing が直線でジリジリと差を詰め、遂に外から馬体を接します。本命馬を競り落としたクラシック・エンパイアには、この伏兵の追い上げを凌ぐだけの余力は既に無く、最後はクラウド・コンピューティングがクラシック・エンパイアを頭差抑えて優勝。後方2番手から伸びた9番人気(31対1)のセニア・インヴェストメント Senor Investment が3着に食い込み、オールウェイズ・ドリーミングは8着惨敗に終わりました。

勝ったクラウド・コンピューティングは、今年38歳を迎えるチャド・ブラウン師の管理馬で、ブラウン師にとっては三冠レースでの初勝利。意外ですが、この馬がプリークネス初挑戦だったそうです。
騎乗したハヴィエル・カステラノは、2006年のベルナルディーニ Bernardini に続いてプリークネス2勝目。
クラウド・コンピューティングは今年2月にアケダクトでデビュー勝した3歳デビュー馬で、いきなり2戦目のガッサム・ステークス(GⅢ)で2着。続いてウッド・メモリアル・ステークス(GⅡ)にもチャレンジして3着に終わると、ダービーへは向かわずプリークネス一本に絞ってきました。2強がダービーから2週間でここに臨んだのに対し、勝馬は6週間の余裕。この差が素直に結果に出たと言えそうです。

ということで未だ4戦しか経験のないクラウド・コンピューティングがベルモント・ステークスに向かうのか、という質問になりますが、ブラウン師の考えでは1マイル半の距離には疑問があるとのこと。それでもチャレンジする価値のあるクラシック・レースですから、即座にパス、とは断言していません。
レース後の状態を見、オーナーとも良く相談し、その後の調整状態を見て最終的に判断するでしょう。
オールウェイズ・ドリーミングとクラシック・エンパイアは使い詰め出来たこともあり、ベルモントはどうでしょうか? 3着に食い込んだセニア・インヴェストメントは、間違いなく長距離となる最後の一冠を目指すでしょう。

 

 

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