サルビアホール 第77回クァルテット・シリーズ
前日に続いてロータスQによるベートーヴェン・サイクル@サルビア、6月9日の金曜日に二日目が行われました。梅雨入りしたものの二日連続で傘の出番は無し。
ベートーヴェン・サイクル2017≪第2夜≫
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調作品74「ハープ」
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95「セリオーソ」
~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第12番変ホ長調作品127
作品18の次はラズモフスキーの3曲と言うのが作曲順ですが、ラズモ3曲は2日間の余裕を挟んで第3夜に演奏されます。自然な流れでしょう。
ということで、第2夜は次の10番から12番までが番号順に取り上げられました。二日目は最初からCD販売ブースは無く、サイン会などは最終回の後、サイクルを終えてからということになるようですね。これも当然でしょうか。
改めて中期後半の2曲、後期の入り口に位置する作品を並べてみると、実にシックリ来るプログラムだと思いました。3曲ともフラット系、シャープ記号で書かれているのはセリオーソの第2楽章だけでしょう。
恐らく調整の配列、初期から更に円熟したベートーヴェンの手法と言うこともあって、前日の緊張感に思索的な要素が加わっていることが聴き取れます。ハープの第2楽章、セリオーソの終楽章、127の第2楽章がその典型。
作品18では第1楽章提示部の繰り返しを全て省略したロータスでしたが、ハープの第1楽章では提示部を繰り返し。もちろん演奏時間の都合もあるのでしょうが、期せずして作品に深さを加え、熟慮する機会も提供していました。
休憩を挟み、後期作品の最初を飾る127の冒頭。「ジャン、ジャーン・ジャン」と深々とした和音が響くのを聴くとき、改めてサルビアホールで聴く喜びを噛み締めました。
最後の2晩は後期作品にどっぷり浸ることになりますが、このホールでなければ聴けないベートーヴェンに今から期待が高まります。
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