2017ベルモント競馬フェスティヴァル2日目

ベルモント・ステークスの前日、6月9日のベルモント・パーク競馬場はフェスティヴァル二日目と言うことで、4鞍のG戦が組まれていました。レース順に振り返りましょう。

最初のトゥルー・ノース・ステークス True North S (GⅡ、4歳上、6ハロン)は、fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。短距離に路線を定めてから5連勝中のフィットモア Whitmore がイーヴンの1番人気。
1番枠スタートを利して最低人気(36対1)のチーフ・ライオン Chief Lion が逃げましたが、3頭の先頭争いを直後の4番手で追走していた4番人気(6対1)のロイ・エイチ Roy H が外から纏めて交わすと、離れた5番手から追い込む3番人気(9対2)のストールウォーキン・デュード Stallwalkin’ Dude に2馬身半差を付けて優勝。人気のフィットモアは更に後方の6番手から追い上げましたが、3馬身4分の3差離されての3着に終わりました。
ピーター・ミラー厩舎、パコ・ロペス騎乗のロイ・エイチは、当ブログ初登場の5歳せん馬。それもそのはず、今回がステークスもG戦も初挑戦でいきなりの快挙となりました。今期はサンタ・アニタで全く異なるタイプのアローワンス戦に連勝。即ち芝のヒルサイド・コース、雨で変更になったダートの泥んこ馬場での連勝と成長ぶりを示し、これで3連勝です。5歳にして新星ではありますが、ミラー師によると厩舎に来た初日(デイ・ワン)からG戦級の能力があったそうで、ここまで表舞台に立つのが遅れたのには様々な要因が邪魔していたとのことでした。

次は芝コースのニュー・ヨーク・ステークス New York S (芝GⅡ、4歳上牝、10ハロン)。前のレースと同じように、firm の馬場に1頭が取り消して8頭立て。前々走ザ・ヴェリー・ワン・ステークスに勝ち、8戦連続で掲示板に乗っているサフューズド Suffused が9対4の1番人気。
レースは5番人気(11対1)のホークスモア Hawksmoor が先頭に立つと、そのまま2番手を追走する2番人気(3対1)のキドゥーラ Quidura に1馬身差を付けて逃げ切ってしまいました。6番手から追い込んだ6番人気(12対1)のキッテンズ・ロアー Kitten’s Roar が1馬身半差の3着に入り、サフューズドは3番手追走も5着敗退。去年の勝馬ダシータ Dacita は6着、同2着のシー・カリージ Sea Calisi も4着に終わっています。
アルノー・ドラクール厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のホークスモアは、前走同じベルモントのボーゲイ・ステークス(芝GⅢ)と2連勝。前走でプロフィールを紹介したように、ドイツ1000ギニーに勝っている4歳馬。去年の秋にアメリカに転じ、アメリカでは4戦2勝。今期は2戦2勝と絶好調です。

フェスティヴァル2日目、三つ目のG戦は競馬日記初登場のベルモント・ゴールド・カップ・インヴィテーショナル Belmont Gold Cup Invitational (芝GⅢ、4歳上、16ハロン)。今年のベルモント・ステークス開催はレース名が示すように「招待レース」が多く、これもその一つ。2014年に創設され、今年からGⅢに格上げされたもので、アメリカの芝長距離戦としては最も長い距離のG戦となります。
1頭が取り消して12頭立てとなりましたが、ヨーロッパからは6頭が招待されて国際色豊かなレース。いずれは日本からも参戦する馬が出ることに期待しましょう。アメリカには馴染みの無い芝長距離戦とあって、ヨーロッパ勢からドイツ調教馬のレッド・カーディナル Red Cardinal が5対2の1番人気。
逃げたのは10番人気(22対1)のアメリカ馬ローマン・アプルーヴァル Roman Approval でしたが、7番手で待機した本命レッド・カーディナルが直線では馬5頭分の外から末脚を発揮、後方2番手から猛追する英国調教馬で3番人気(5対1)のサン・ミシェル St Michel を首差抑えて人気に応えました。2馬身差で、8番手から伸びた5番人気(8対1)のナウ・ウィー・キャン Now We Can が3着。
アンドレアス・ヴォーラー厩舎、今回はエドゥアルド・ペドローザが手綱を取ったレッド・カーディナルは、今年5歳のせん馬。昨シーズンをオイロパ賞(GⅠ)2着で締め括り、今期は前走ホッペガルテン競馬場のオレアンダー・レンネン(GⅡ、3200メートル)を制して招待を勝ち取りました。ベルモント競馬場とホッペガルテン競馬場は今年からパートナー契約を結び、正にG戦となって最初のゴールド・カップに相応しい勝者となったと言えるでしょう。レッド・カーディナルの次走はフランスになる予定で、最終目標はメルボルン・カップの由。

金曜日の最後は、ベッド・オー・ロージズ・インヴィテーショナル Bed o’Roses Inviational (GⅢ、4歳上牝、7ハロン)。去年は6月25日に施行されていたレースですが、今年はフェスティヴァルに合わせて繰り上げられています。やはり1頭の取り消しが出て9頭立て。去年の勝馬バイ・ザ・ムーン By the Moon が6対5の1番人気。
6番人気(8対1)ミア・トーリ Mia Torri の逃げを2番手でマークしたバイ・ザ・ムーン、第3~4コーナーの半ばで逃げ馬に並び掛けると、直線でも内を粘るミア・トーリに4分の3馬身差を付けて見事2連覇達成です。5番手から追い込んだ2番人気(7対2)のライトストリーム Lightstream が頭差の3着。
ミシェル・ネヴィン厩舎、ラジーヴ・マラー騎乗のバイ・ザ・ムーンは、去年は5番手から追い込んで差し切りましたが、今年はより積極的なレースでの2連覇。このレースの連覇は史上3頭目だと思います。去年はBCフィリー・アンド・メア・スプリントで5着だった同馬、今期はバーバラ・フリッチー・ステークス(GⅡ)2着から始動し、前走ヴァグランシー・ハンデ(GⅢ)に続くG戦2連勝。2歳時のフリゼッテ・ステークス(GⅠ)を含め、四つ目のG戦タイトル獲得となりました。

 

 

 

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