15番目のGⅠ
土曜日のキング・ジョージの興奮が覚めやらぬ翌日、またしてもオブライエン厩舎にGⅠ制覇の朗報がもたらされています。(オブライエン師はどうやら息子が出場するイヴェントを参観していたようで、競馬場にはいなかったとか)
日曜日にアイルランドはカラー競馬場で行われた2歳馬のGⅠ戦。
フェニックス・ステークス(GⅠ、2歳、6ハロン)は6頭の登録から1頭取消、5頭立てで行われました。
1番人気に推されたのは、ロイヤル・アスコットでコヴェントリー・ステークスを制したアート・コニサー Art Connoisseur 。重い馬場が堪えたのか2着に敗退、本命に4馬身半差をつけて圧勝したのは4対1の人気、ムルタ騎乗のマスタークラフツマン Mastercraftsman 。この勝ちっ振りの良さから、来年の2000ギニーに5対1のオッズが出、現在のところ1番人気に上がっています。
デーンヒル・ダンサーの産駒で、これで3戦3勝と無敗。前走のレイルウェイ・ステークス(GⅡ)から連勝で、オブライエン厩舎の来年のエースに育つでしょうか。
同じオブライエン軍団のシー・オブ・マーマラ Sea of Marmala は4着。3着はブッシュレンジャー Bushranger が食い込んでいます。
実はオブライエン厩舎の2歳軍団は、既に7月24日にレパーズタウン競馬場で行われたタイロス・ステークス(GⅢ、2歳、7ハロン)もリップ・ヴァン・ヴィンクル Rip Van Winkle で勝っており、早々とクラシック候補が名乗りを挙げているのです。
リップ・ヴァン・ヴィンクルはガリレオ産駒で2戦2勝、ギニーというよりはダービー向きかも知れませんが、来年の2000ギニーには6対1のオッズが出ています。
タイロス・ステークスも本命に支持されたのはロイヤル・アスコットの勝馬。こちらはアルバニー・ステークスの覇者キュイ・ゲール Cuis Ghaire だったのですが、これもオブライエン/ムルタ・コンビに1馬身4分の1差で優勝を攫われてしまいました。
2歳戦線と言えば、昨日の日曜日にはフランスのメゾン=ラフィット競馬場でも大事な一戦が行われています。
ロベール・パパン賞(GⅡ、2歳、1100メートル)。こちらはイギリスからコール厩舎のパーコレイター Percolator がチャレンジし、スミオン騎乗を得て1番人気に支持されたのですが、2着敗退。勝ったのはイタリアから遠征してきたルイ・レイ Lui Rei という馬。イタリア産馬で、アルマンド・レンゾーニ師の管理馬です。
この日のメゾン=ラフィット、もう一つパターン競走がありました。
ユジェーヌ・アダム賞(GⅡ、3歳、2000メートル)は、英国のセシル厩舎から遠征したトゥワイス・オーヴァー Twice Over が快勝。クレイヴァン勝馬で、セント・ジェームス・パレスで3着に敗退した溜飲を下げています。
こちらは4分の3差2着にもミーハン厩舎のシティー・リーダー City Leader が追い込み、英国勢のワン・ツー・フィニッシュとなっています。
この他、日曜日のミュンヘンではスタウト厩舎のリンガリ Linngari がドイツのGⅠに勝っており、イギリス国内ではアイルランドにやられっ放しの英国勢、大陸に遠征して賞金荒稼ぎしているようですね。
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