日本人オーナーが勝ったアイルランドのGⅢ戦

昨日、7月5日にアイルランドのフェアリーハウス競馬場で余り目立たないGⅢ戦が行われました。日本の競馬ファン、海外競馬通と呼ばれる人達でも見落としてしまいそうなG戦ですが、どうして日本的視点で見ると中々面白い結果だったので紹介しておきましょう。

そのG戦とは、ブラウンスタウン・ステークス Brownstown S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。good の馬場に1頭が発情のために取り消して7頭立て。3歳馬4頭に対して古馬3頭と言うメンバー構成でしたが、英国から遠征した4歳馬のゴールデン・スタンナー Golden Stunner が11対8の1番人気。
ところでこのレース、アイルランドには全部で69の平場G戦がありますが、あのエイダン・オブライエン師が未だ勝っていない唯一のアイルランドG戦が、このレースでもあります。オブライエン厩舎は3歳馬2頭を出走させて完全制覇を目指しましたが、果たして結果はどうだったでしょうか?

人気のゴールデン・スタンナーがスタートから先手を取って逃げ切り策に出ましたが、3番手を進んでいた2番人気(3対1)のレアルトラ Realtra が残り150ヤードで本命馬を捉えると、1馬身4分の1差を付けて優勝。2番手に付けていた5番人気(16対1)のレイモンダ Raymonda と、中団から伸びたオブライエン厩舎の3番人気(5対1)アスキング Asking が3番手を争いましたが、ゴールデン・スタンナーから半馬身遅れで3着同着となっています。
アスキングは最後の勝負所で前が塞がる不利があり、良い手応えで進出していただけに、これが無ければもっと際どい勝負になったかも。いずれにしてもオブライエン師の完全制覇は来年に持ち越されることになりました。

ところで勝ったレアルトラはイギリスのロジャー・ヴァリアン厩舎、コリン・キーン騎乗の5歳馬で、アスキングを除けば古馬勢が1着から3着までを独占したことになります。加えて英国遠征馬のワン・ツー・フィニッシュ。
レアルトラにとってG戦は、一昨年の9月にドンカスターでセプテンバー・ステークス(GⅢ)に勝って以来となる2勝目。この馬、実は3歳の7月に日本人オーナーである窪田康志氏が別のオーナーから買い取り、リチャード・ファヘイ厩舎から現在のロジャー・ヴァリアン厩舎に転厩した経緯がありました。
この売買の直前、レアルトラはロイヤル・アスコットでサンドリンガム・ハンデに出走したのですが、この時に騎乗したのは北村宏司。この辺りの情報は掴んでいませんが、恐らく事前に取引話が進んでいたのでは、と想像できます(あくまでも勝手な想像ですから信用しないように)。

レアルトラがG戦を初制覇したのは正式に窪田オーナーに替わった直後の9月で、このあとはGⅠ戦のサン・チャリオット・ステークスに挑戦して5着でシーズンを終えています。4歳時はドーヴィルのリステッド戦に勝っていますが、出走したのはこの1戦のみ。恐らく故障か体調が整わなかったのでしょう。
5歳になった今期はドバイで2戦して何れも着外。英国に戻ってリングフィールドのオールウェザー・コースでも2戦し、一般戦で1着・4着。そして前走、マッセルバーグ競馬場のリステッド戦で5着し、今回のアイルランドG戦勝ちに繋げました。
オーナーの窪田氏と言えば、日本では「ドラゴン」で知られる大樹レーシングクラブのオーナーとして知られています。以前に競馬以外の件で文春ネタになった事もあるそうですが、今週発売の文春にレアルトラのオーナーとしての活躍が紹介される、なんて事は絶対にありませんから念のため。

 

 

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