7月8日のアメリカ競馬(2)アーリントン編
アメリカ競馬レポートを急ぎます。第2弾はシカゴ、アーリントン・パーク競馬場で行われたG戦4鞍で、全て芝コースのG戦。この競馬場の本当の祭典は来月で、昨日7月8日に行われたのはそのトライアルであるGⅢ戦ばかりです。
先ずアメリカン・ダービー American Derby (芝GⅢ、3歳、9ハロン)は firm の馬場に7頭立て。前走5月末のチャーチル・ダウンズで芝のアローワンス戦に快勝したソニック・ブーム Sonic Boom が3対5の断然1番人気。
スタートから主導権を握ったソニック・ブーム、そのまま後続を寄せ付けず、3番手を追走した2番人気(2対1)のゴージャス・キッテン Gorgeous Kitten に1馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ちで期待に応えました。最後方から追い込んだ6番人気(39対1)のマイ・バリリー My Bariley が2馬身4分の1差で3着。
イアン・ウイルケス厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のソニック・ブームは、これがG戦初勝利。前々走初挑戦のG戦トランシルヴァニア・ステークス(芝GⅢ)は7着でしたが、その前にタンパ・ベイで一般ステークス(コロンビア・ステークス)に勝っており、G戦は2勝目。
続いては古馬牝馬によるモデスティー・ハンデキャップ Modesty H (芝GⅢ、3歳上牝、9.5ハロン)。2頭が取り消して5頭立てとなり、前走アメリカ・デビューのミント・ジュレップ・ハンデ(芝GⅢ)を快勝したアルゼンチン産馬のダナ・ブルーハ Dona Bruja が僅差ながらイーヴンの1番人気。
4番人気(16対1)のワン・リズOne Liz が逃げ、3番手を進んだ5番人気(19対1)のプラードズ・スイート・ライド Prado’s Sweet Ride がインコースを衝いて先頭に躍り出た所、5番手で待機していたダナ・ブルーハが大外から一気の末脚を爆発、プラードズ・スイート・ライドに1馬身差を付けて人気に応えました。4番手を進んだ2番人気(やはりイーヴン)のタイム・アンド・モーション Time and Motion が1馬身4分の3差で3着。
イグナシオ・コレアス厩舎、デクラン・キャノン騎乗のダナ・ブルーハについては、前走6月10日の日記で紹介済み。アメリカではG戦に2戦2勝で古馬の芝牝馬チャンピオンを狙える位置に付けてきました。
次は長距離戦のスターズ・アンド・ストライプス・ステークス Stars and Stripes S (芝GⅢ、3歳上、12ハロン)。9頭が出走し、2014年と2015年に連覇し、去年のこのレースでも4着となったザ・ピッツァ・マン The Pizza Man が6対5の1番人気。
長距離とあって何度か逃げ馬が入れ替わりましたが、向正面では7番人気(23対1)のベラモール Belomor が後続を大きく引き離しての逃げ。終始4番手を追走していた本命ザ・ピッツァ・マンが直線で抜け出して先頭に立った所に6番手から追い込んできたのが、2番人気(19対10)のキーストンフォーヴィクトリー Keystoneforvictory 、ゴール手前で本命馬を1馬身半差交わしての逆転劇でした。5番手を進んだ4番人気(7対1)のアプリケイター Applicator が頭差で3着。
マイケル・メイカー厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のキーストンフォーヴィクトリーは、これがG戦初勝利となる4歳牡馬。前走5月にガルフストリーム・パークの一般ステークス(スターター・ハンデ)からステークス2連勝となりました。
アーリントンの最後は、アリーントン・ハンデキャップ Arlington H (芝GⅢ、3歳上、9.5ハロン)。1頭がスターズ・アンド・ストライプス・ステークスに回って取り消し、8頭立て。去年の勝馬で前走ワイズ・ダン・ステークス(芝GⅡ)にも勝っているカサクィ Kasaqui がイーヴンの断然1番人気。
最低人気(79対1)のクルーマン Crewman が逃げましたが、3番手に付けた5番人気(12対1)のゴースト・ハンター Ghost Hunter が内ラチ沿いギリギリを衝いて抜け出し、2番手を粘る7番人気(45対1)のオーク・ブルック Oak Brook に4分の3馬身差を付ける波乱となりました。7番手から猛然追いこんだカサクィは、頭差届かず3着まで。
ジェイミー・ネス厩舎、エドウィン・ゴンザレス騎乗のゴースト・ハンターは、今年7歳になるせん馬で、前走アローワンス戦から2連勝。5月にアーリントンで行われたハンシン・カップ(芝GⅢ)では2着していた馬でもあります。46戦目にしてG戦は初勝利。
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