プロムスの進化形、レクチャー・コンサート
フィデリオに続いては、翌土曜の夜に行われた次のコンサートを聴きましょう。
7月22日 ≪Prom 10≫
R.シュトラウス/メタモルフォーゼン
~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第3番
オーロラ管弦楽団 Aurora Orchestra
指揮/ニコラス・コロン Nicholas Collon
これは普通の演奏会とは一味違い、前半はBBCコメンテイターのトム・サーヴィスと指揮者コロンが組んでベートーヴェンのエロイカ交響曲を判り易く解き明かしていくレクチャー・コンサートでした。
オーロラ管弦楽団のメンバーも彼方此方でサンプル演奏を行い、クラシック初心者にもベートーヴェンの難しい交響曲を楽しんでもらう企画ですね。
とにかく聴いてみれば、英語が所々判らなくても大丈夫。へぇ~、クラシックにもこんなアプローチが可能なのだと感心してしまいました。エロイカの第4楽章から始め、会場を乗せてしまう話術と新鮮な解釈。
首都圏でも夏場にプロムス風フェスティヴァルが開催されていますが、本場ロイヤル・アルバート・ホールの試みに比べれば未だ未だ甘い、工夫が足りないと痛感するじゃありませんか。
ミューザのフェストも開始された当初は様々な可能性と発展に期待したものですが、結局はマンネリに陥ってます。各オケが勝手にプログラムを並べているだけで、フェストそのものに核となるテーマもなければ、客席とのコンタクトも極めて限定的。これじゃあ通常の演奏会と同じで、聴き手も聴きたいプログラムを聴きに行くだけでしょう。少なくとも私は興味を失いました。
才人コロンが企画したこの会は、前半がレクチャーとシュトラウスの23の弦楽器のための作品を演奏し、後半はベートーヴェンの全曲演奏。
指揮者だけでなく、オーケストラのメンバーも全員が2曲とも暗譜で演奏し、チェロ以外は立って演奏するというチャレンジもあるのですね。さすがはプロムス。
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