明暗分けた3歳牝馬
サラトガにしてもデル・マーにしても夏競馬は約7週間なので、週によっては土日以外にウィーク・デイにもG戦が組まれます。ということで昨日7月23日の日曜日にもニューヨークとカリフォルニアでG戦が一鞍づつ行われました。
先ずサラトガ競馬場はGⅠ戦のコーチング・クラブ・アメリカン・オークス Coaching Club American Oaks (GⅠ、3歳牝、9ハロン)。以前は6月のベルモントで1マイル半の距離で行われる実質アメリカ版オークスでしたが、BCシリーズ創設に伴って舞台はサラトガへ、距離も大幅に短縮されて今日に至っています。
今年は fast の馬場に7頭立て。3歳牝馬チャンピオンの筆頭候補、ケンタッキー・オークス馬エイベル・タスマン Abel Taman が参戦するとあって4対5の1番人気に支持されていました。
スタートで大外枠、2番人気(5対2)のソルティー Salty が大きく煽っての発走となり、最後方から。6番人気(28対1)のサマー・ラック Summer Luck が逃げましたが、後方2番手に控えていたエーブル・タスマンが向正面でスパートし、レース半ばでは一気に先頭に立って直線。3番手から一旦は4番手に後退していた3番人気(5対1)のイレート Elate が内ラチ沿いを通って本命馬に迫りましたが、ゴールではエイベル・タスマンがイレイトを頭差ながら抑え込んでいました。最後方から大外を追い上げたソルティーが3馬身4文1差で3着。出遅れが無ければと悔やまれます。
前日のアロゲート Arrogate ショックと同じコンビ、ボブ・バファート厩舎、マイク・スミス騎乗のエイベル・タスマンに付いては改めて詳述することもないでしょう。ケンタッキー・オークス、エイコーン・ステークスに続いてGⅠ戦3連勝、2歳時のスターレット・ステークスを含めて4つ目のGⅠ制覇となりました。
ところでエイブル・タスマンとスミス騎手との間には不思議な因縁があり、スミスが同馬とコンビを組むようになったのはサンタ・アニタ・オークスの2着から。それまではジョセフ・タラモが騎乗していたのですが、3月初旬のサンタ・イザベル・ステークス(GⅢ)ではタラモ騎乗で2着。この時勝ったユニーク・ベラ Unique Bella にはスミスが騎乗していたのでした。また2歳時のスターレット・ステークスを勝った時の2着馬アメリカン・ギャル American Gal に騎乗していたのもスミスと、同騎手は長きに亘ってエイブル・タスマンとクラシック戦線を歩んできたことにもなるのですね。
そしてデル・マー競馬場からはサン・クレメンテ・ハンデキャップ San Clemente H (芝GⅡ、3歳牝、8ハロン)。こちらは firm の芝コースに1頭が取り消して8頭立て。デビューから7戦7勝、G戦も3連勝中で芝コースの3歳牝馬チャンピオンを目指すサーキャット・サリー Sircat Sally が7対5の1番人気。
2番人気(9対5)のラル Lull が逃げて直線も良く粘りましたが、最後方で待機した7番人気(21対1)の伏兵マダム・ダンスアロット Madam Dancealot が大外から急襲、ラルを1馬身4分の3差捉える鮮やかな差し切り勝ちでした。人気のサーキャット・サリーも4番手から馬場中央を追い込んだものの、半馬身届かず3着に終わり、初黒星を喫しています。
リチャード・バルタス厩舎、ジェイミー・セリオット騎乗のマダム・ダンスアロットは、2歳時は英国で走っていた馬。ソールズベリー競馬場のディック・プール・ステークス(GⅢ、6ハロン)でG戦初勝利を挙げ、アメリカに転厩してBCジュヴェナイル・フィリーズ・ターフに挑戦したものの13着に敗退。今期はこれで5戦2勝で、前々走サンタ・アニタのアローワンス戦に勝ち、前走同じサンタ・アニタの一般ステークス(スペシャル・ゴッデス・ステークス、6.5ハロン)では2着でした。距離が伸びたことが好走に繋がったのでしょうか。
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