今年もオブライエン/ムーア/ガリレオのダブル
7月27日、アイルランドのレバーズタウン競馬場で来年のクラシックを占う2歳戦が2鞍行われました。共に人気の馬が勝ち、まるで去年のVTRを見ているような結果ではありましたが・・・。
馬場は good 、先ず牝馬のシルヴァー・フラッシュ・ステークス Silver Flash S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)は1頭が取り消して5頭立て。このレースは独占状態のエイダン・オブライエン厩舎からは2頭が参戦。主戦ライアン・ムーアがどちらを選ぶかが注目されましたが、結局はムーア騎乗のハッピリー Happily が8対11の断トツ1番人気。
その結果ペースメーカーとしての役割も担うことになった2番人気(7対2)のドナック騎乗イースター・リリー Easter Lily が逃げ、ハッピリーは3番手から。しかしハッピリーの桁違いは予想以上で、一気に先頭に立つと、後方から追い込む最低人気(20対1)のシャライラー Shalailah に5馬身差を付ける圧勝でした。2番手を追走した4番人気(7対1)のドーン・デリヴァース Dawn Delivers が1馬身4分の1差で3着。
勝ったハッピリーは、レバーズタウンのデビュー戦(7ハロン)こそ7着でしたが、2戦目のカラー(7ハロン)ではドナック・オブライエン騎乗で1馬身4分の3差で初勝利。この時も2着はシャライラーでしたが、今回は同じ馬に5馬身差を付けており、馬自体が如何に成長しているかが判ろうというものです。
オブライエン厩舎はこのレース10勝目、ムーア騎手は去年に続いての連覇で2勝目、父ガリレオ Galileo にとっても去年に続く連覇で6勝目となりました。
血統的には英愛2000ギニーを連覇し、セント・ジェームス・パレス・ステークスも制したグレンイーグルス Gleneagles の全妹。1000ギニーに16対1のオッズが出されました。次走はデビュタント・ステークスになりそうですが、このレースにはオブライエン厩舎の牝馬クラシック筆頭候補セプテンバー September も出走を予定しており、オブライエン師としては贅沢な悩みを抱えることになったようです。
続いてはタイロス・ステークス Tyros S (GⅢ、2歳、7ハロン)。去年はチャーチル Churchill が勝ったと言えばステップ・レースとしての重要さが納得できるでしょう。今年は6頭が出走し、やはりオブライエン厩舎、ムーア騎乗、ガリレオ産駒のザ・ペンタゴン The Pentagon が4対11と圧倒的な1番人気に推されています。
大本命、ここでも裏切りませんでした。オブライエン厩舎のペースメーカーで4番人気(16対1)のバークレー・スクエア Berkeley Square が逃げ、3番手を進んだザ・ペンタゴンが前を捉えると、2番手を進んだ2番人気(4対1)のテオバルド Theobald に1馬身4分の3差を付けて期待に応えています。後方から追い込んだ3番人気(8対1)のウッド・ビー・キング Would Be King が半馬身差の3着。
ザ・ペンタゴンもハッピリー同様カラーの新馬戦(7ハロン)は6着と競馬を経験しただけでしたが、2戦目の前走同じカラーの7ハロンで、アナ・オブライエンを背に8馬身半の圧勝で周囲を驚かせました。今回のレース振りを見ても、ジワジワと伸びる脚は如何にもミドル・ディスタンス向き。スピードもあるステイヤーと言えそうです。馬は未だ赤ん坊で、真っ直ぐ走り始めたのはゴール板を通過してからという末恐ろしさでした。
こちらはオブライエン師にとって11度目のタイロス。騎乗したライアン・ムーアも2年連続2勝目で、ガリレオに至っては2度目の4連覇で、通算8頭目の勝馬となりました。終わって見れば、黄金トリオの2年連続ダブル制覇ということでもあります。
ザ・ペンタゴンの母ヴァダウィナ Vadawina はアガ・カーンの秘蔵っ子でサン=タラリ賞の勝馬。仏オークスは故障で4着に敗れましたが、血統的にも長距離向きと言えるでしょう。ダービーのオッズは10対1から12対1が提示され、目下のところ1番人気に上がりました。次走はフューチュリティー・ステークスの予定。
ところで前走でザ・ペンタゴンを勝利に導いたアナ・オブライエン、酷い落馬事故で重傷を負いましたが既に退院し、11月に復帰の予定だそうです。それにしても外国の女性は「つおい」。
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