オデュッセイアとアラビアン・ナイトの世界

ロシア3大名曲シリーズ、というわけではありませんが、展覧会の絵、悲愴に続いて金曜日のプロムスはシェエラザードがメインでした。

7月28日 ≪Prom 18≫
コルンゴルト/The Sea Hawk 序曲
アンデルス・ヒルボーグ Anders Hillborg/Sirens (英国初演)
     ~休憩~
リムスキー=コルサコフ/シェエラザード
 BBC交響楽団 BBC Symphony Orchestra
 指揮/ジェームス・ガフィガン James Gaffigan
 合唱/BBCシンフォニー・コーラス BBC Symphony Chorus
 ソプラノ/イーダ・フォーク・ウィンランド Ida Falk Winland、ハンナ・ホルガーソン Hannah Holgersson、

この夜BBC響を振ったガフィガンという人は、1979年生まれ、今年38歳になるアメリカの若手指揮者で、今回がプロムス・デビューになります。私は初めて聞いた名前ですが、ネットで検索してみると、以前に都響で第9を振ったこともあるようです。
NMLでも何点かが配信されていて、新しもの好きなファンの間では話題になっているようですね。

今回のプログラムは3曲。最初のコルンゴルトは1940年の映画音楽で、如何にもハリウッドらしい豪華な響きがします。

続いては1954年生まれ、スウェーデンの作曲家ヒルボーグの代表作のイギリス初演。この人、日本ではアンデシュ・ヒルボリと表記されているようですが、BBCのコメンテイターは「アンデルス・ヒルボーグ」と発音していましたからこれで通します。
出版社はフェイバーで、同社のホームページに掲載されているプロフィールはこれ↓

http://www.fabermusic.com/composers/hillborg-anders

今回演奏された「サイレンス」(BBCの曲目紹介)は、NMLでも「セイレーン」として試聴可能(サロネン指揮、BIS盤、二人のソリストもプロムスと同じ)。NMLの会員はブックレットも読めるので、より詳しい解説が読めます。
ホーマーのオデュッセイアがテキストになっていて、その第12歌にあるセイレーンに関する歌詞が使われています。二人のソプラノは共にスウェーデンの歌手で、上記サロネン盤でも歌っていますから、ベストの選択でしょう。

なお、スコアはこちらから閲覧可能です↓

http://scorelibrary.fabermusic.com/Sirens-31923.aspx

プロムス全体のプログラムを改めて見直してみると、どうも今年は北欧にもスポットライトが当たっているようですね。9月に入ってから二つのオケが客演しますし、既にシベリウス作品もいくつかが纏めて演奏されていましたから。

メインのシェエラザードについては特にコメントなし。ハリウッド映画に始まり、オデュッセイアとアラビアン・ナイトの世界で幻想の羽を広げる夕べでしょうか。

 

 

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