ヨーク代替競馬2日目
昨日の最大の見ものは、もちろんヨーク競馬場からニューマーケット競馬場に舞台を移して行われたインターナショナル・ステークスです。
日本でも「頂上決戦」とて報じられていましたが、古馬の雄であるデューク・オブ・マーマレイド Duke of Marmalade と3歳チャンピオンにしてダービー馬でもあるニュー・アプローチ New Approach の対決。人気はデュークが4対6の本命、アプローチは2対1で2番人気です。
結果、デューク・オブ・マーマレイドが古馬の貫禄を見せ付けて快勝。オブライエン調教師に今シーズン18回目のGⅠ勝をプレゼントしています。
レースはデュークと同厩のレッド・ロック・キャ二オンが引っ張り、淀みないペースを築きます。満を持してムルタ騎乗のデューク・オブ・マーマレイドが抜け出し、追い上げるフェニックス・タワー Phoenix Tower を4分の3馬身抑え込んでの優勝。
3番手追走のニュー・アプローチがそのまま流れ込み、2着とは2馬身半差の3着で入線しました。
以下、4着にパイプドリーマー Pipedreamer 、5着ハリカーナッサス Halicarnassus の順。
勝ったデューク・オブ・マーマレイドは、これで今シーズンはGⅠばかり5連勝。最早、向かう所敵無し、状態ですね。
オブライエン師もこの馬を極めて高く評価し、“血と肉で出来ているとは思えない”とのコメント。彼は2着に大差を付けず、少しの差でも間違いなく先頭でゴールインするのも賢さの象徴とか。
実は予定されていた火曜日、デューク一行は朝5時に厩舎を発ってヨークで2時間ほど待機、中止を聞いてバリードイルに戻ったのが午後3時半とか。時間も経費も無駄になった移動でしたが、師にとっては代替競馬までの4日間にデュークがどれだけ消耗するか、その点に不安があったようです。それでも期待にそぐわぬ快走。競馬史に残る名馬の1頭と断言して間違いないでしょう。
このあとは9月6日のアイリッシュ・チャンピオンに向かいます。
一方、敗れたニュー・アプローチも条件は同じ。アイルランドとの2往復を克服しての3着。ダービー以来となる休み明けの不利。アプローチにとってはやや良過ぎる馬場。明らかにデュークに比べれば死角もありました。
しかしこの一走で更に良化することが期待されます。ボルガー師も次走をアイリッシュ・チャンピオンに定めました。9月6日は再び両馬の対決が見られますぞ。
この日のニューマーケットでは、ヨークから代替されたラウザー・ステークス(GⅡ、2歳牝、6ハロン)も行われています。7頭立てとやや小粒、例年と比べればやや格落ちの感は否めません。
ロイヤル・アスコットでクィーン・マリー・ステークスを制したラングズ・ラッシュ Langs Lash がムンロ騎乗で勝利を手にしたと思った瞬間、ハノン厩舎の2頭が強烈に追い込み、ワン・ツー・フィニッシュを達成しました。勝ったのはインフェイマス・エンジェル Infamous Angel 、鼻差2着がペニーズ・ギフト Penny’s Gift 。3着ラングズ・ラッシュは更に頭差の惜敗です。このメンバーは9月のチーヴリー・パーク・ステークスで決着が付くでしょう。
ヨークの代替の最後、グレート・ヴォルティジュール・ステークス(GⅡ、3歳、1マイル4ハロン)はグッドウッド競馬場での開催です。その第1レースでした。
当初はオブライエン厩舎がアレッサンドロ・ヴォルタ、バシュキロフ、ヒンドゥー・クシュの3頭を出走させるはずでしたが全て取り消し、僅かに5頭立てと、質量共に寂しい一戦になってしまいました。
セントレジャーへ向けてのトライアル、本番では1番人気に期待されるはずのパトカイ Patkai が8対11という圧倒的人気になりましたが、意外や4着惨敗。各ブックメーカーは同馬を賭けのリストから外してしまいました。
勝ったのはゴスデン厩舎、フォーチュン騎乗のセンテニアル Centennial 。12対1の穴馬でしょう。センテニアルはセントレジャーの登録がなく、出走するには追加登録料を支払わねばなりません。オーナーが最終的に決めることですが、この勝利でセントレジャーへの賭け率が出たようです(1番高い評価で4対1)。
2着は1馬身半でトップ・ルック Top Look 、3着は更に2馬身遅れてシンティロ Scintillo 。ただしこれはスタートした時と全く同じ順位。つまり「行った行った」の競馬だったわけで、この結果を鵜呑みするのは極めて危険です。
スタウト厩舎期待のパトカイはセントレジャー戦線から脱落してしまいましたが、現在のところの1番人気は、同じスタウト厩舎のコンデュイ Conduit です。本番が楽しみですが、まだ風景が見えてこないのが現状でしょうか。
とひろで土曜日のグッドウッドの本来のメインはセレブレーション・マイルというGⅡ。これは大本命のレイヴンズ・パスが圧勝しています。
この馬はクレイヴァン2着、2000ギニー4着のあと、アスコットのセント・ジェームズ・パレス、ロンシャンのジャン・プラ賞、グッドウッドのサセックスとGⅠで連続2着だった馬。これが意外にも今シーズン初勝利でした。
次に予定されているアスコットのクィーン・エリザベスⅡ世ステークスでは、ヘンリーザナヴィゲイター、タマヤズの2強マイラーとの再対決。これが今年の最強マイラー決定戦になるでしょう。
最近のコメント