2017グローリアス・グッドウッド4日目

グッドウッド競馬場のグローリアス開催、4日目はG戦が4鞍。一日のG戦としては開催最多ですが、GⅡが一鞍で残りは全てGⅢ戦。前3日間と比べると目玉に乏しい印象で、今年は注目のレースは全て前半で終了したような感じがします。
4日目も馬場は soft で、相変わらず取り消しも多く、ここは簡潔に見て行くことにしましょう。

この日は第1レースからいきなりG戦で、最初のグローリアス・ステークス Glorious S (GⅢ、4歳上、1マイル3ハロン218ヤード)は2頭が取り消して6頭立て。レヴェルには若干疑問符が付くメンバーばかりで、前走チェスターのハックスレー・ステークス(GⅢ)で2着したポエツ・ワード Poet’s Word が7対4の1番人気。
3番人気(7対2)のロード・イェーツ Lord Yeats が逃げ、2番手を追走した2番人気(100対30)のセカンド・ステップ Second Step が残り2ハロンで先頭。これを4番手で追っていた本命ポエツ・ワードが交わし、そのままセカンド・ステップに1馬身半差を付けて人気に応えました。5番手から追い込んだ4番人気(9対2)のスカーレット・ドラゴン Scarlet Dragon が首差の3着。

サー・マイケル・スタウト厩舎、ライアン・ムーアが騎乗したポエツ・ワードは、これがG戦初勝利となる4歳馬で、3歳時にノッティンガムで初勝利を挙げ、去年のグローリアス・グッドウッドでは11ハロンのハンデ戦に勝っていました。今期は4月にチェルムスフォードのハンデ戦に勝って始動し、これが3戦目。ここまでの4勝は全てムーア騎手とのコンビです。目標は10月のカナダ国際になる模様。
なお、スタウト/ムーアのコンビは、このレース2連覇。

続くサラブレッド・ステークス Thoroughbred S (GⅢ、3歳、1マイル)は結局5頭の取り消しがあり、最終的には6頭立て。今期デビューで4戦3勝と堅実なビート・ザ・バンク Beat The Bank が7対4の1番人気に支持されていました。
逃げたのは3番人気(5対1)のザインホム Zainhom 、これを中団で待機した人気のビート・ザ・バンクがあっさり交わすと、3番手を進んだ2番人気(5対2)のメイク・タイム Make Time に3馬身差を付ける圧勝となりました。2番手に付けていた4番人気(13対2)のフォレスト・レンジャー Forest Ranger が首差の3着。

勝ったビート・ザ・バンクはアンドリュー・ボールディング厩舎、第1レースに続いてライアン・ムーアが騎乗したせん馬で、デビューから2連勝で挑戦したロイヤル・アスコットのジャージー・ステークス(GⅢ)こそ20頭立ての10着と敗れたものの、前走ニューマーケットのリステッド戦に勝ち、5戦目でG戦初勝利となりました。この先未だまだ活躍が見込める1頭でしょう。
ところで、いきなりG戦ダブルを達成したムーア騎手、このあと第3レースのハンデ戦にも勝ってスタートから早々とハットトリックを完成させています。

ムーアが制したハンデ戦の後は、この日唯一のGⅡ戦であるキング・ジョージ・ステークス King George S (GⅡ、3歳上、5ハロン)。シーズン半ばの短距離戦としては出走頭数が少なく、1頭が取り消して11頭立て。この日曜日にドーヴィルで短距離GⅠ戦が行われるからでしょうか。ここはGⅠ馬、去年のキングズ・スタンド・ステークスの勝馬で今年も2着と健闘しているプロフィタブル Profitable が9対4の1番人気。
去年のこのレースを制した5番人気(10対1)のテイク・カヴァー Take Cover が逃げましたが、これを離れず先行していた3番人気(9対2)のバターシュ Battaash がレース半ばで並び掛け、残り1ハロンで先頭に立つと、同じく先行から追い縋る本命プロフィタブルに2馬身4分の1差を付ける完勝となりました。中団から伸びた同じ3番人気(9対2)のマーシャ Marsha が4分の3馬身で3着に入り、テイク・カヴァーも4着と健闘しています。

チャールズ・ヒルズ厩舎、ジム・クロウリー騎乗のバターシュは、今期3戦3勝と負け知らずの3歳馬。古馬プロフィタブルも実力通りの走りを見せていましたから、短距離界も今年は3歳馬優位と見て間違いないでしょう。前走サンダウンのザ・スプリント・ステークス(GⅢ)に続くG戦2連勝で着実にクラスを上げ、次走はヨークの任ソープ・ステークスでGⅠ奪取を目指します。そのオッズも5対2と上がり、目下本命(7対4)のレディー・オーレリア Lady Aurelia との対決が待ち遠しくなってきました。

4日目の最後はオーク・トゥリー・ステークス Oak Tree S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。当初は17頭もの登録がありましたが、前日と当日を含めて7頭もの取り消しが出て10頭立て。ここは去年のこのレースを制しているフランスからの再遠征馬アル・ジャージ Al Jazi が9対4の1番人気。
2番人気(9対2)エターナリー Eternally の逃げを中団で待機したアル・ジャージ、期待通りの末脚で逃げ馬を捉えると、粘るエターナリーに1馬身4分の1差を付けて連覇達成です。同じく中団から追い込んだ4番人気(7対1)のトミリス Tomyris が頭差の3着。

アル・シャカブがオーナー、フランソワ・ロホー厩舎、ランフランコ・デットーリが騎乗したアル・ジャージは、今期初戦のメゾン=ラフィットのリステッド戦に勝ち、前走ロイヤル・アスコットのダイアモンド・ジュビリー・ステークス(GⅠ)は9着敗退。7ハロンが得意と言うことで、やはり地元のラ・フォレ賞が最終目標になるのでは、と思われます。
ロホー師はこのレース、2015年から3年連続のハットトリック。オーナーのアル・シャカブはグローリアス・グッドウッドの最大パトロンでもありますから、今年の初勝利をここで記録したことは陣営にとっても、競馬場にとっても大きな意義があるのです。

と、ここまで書いてきた所で2日ほど留守にします。このあとのアメリカ競馬、グッドウッドの5日目(最終日)は帰ってからの更新となりますので、少しお待ちください。

 

 

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