トランプ政権下での最初のG戦

1月21日、新しい大統領が就任したアメリカで最初のG戦が行われました。ルイジアナ州のフェア・グラウンズ競馬場で2鞍、カリフォルニア州のサンタ・アニタ競馬場で一鞍です。

先ずルイジアナ州は、トランプ新大統領が選挙戦を制した州。祝賀ムードに包まれていたかは知りませんが、ともかくトランプ支持州が最初のG戦だったのは象徴的かもしれません。最初に行われたカーネル・E・R・ブラドリー・ハンデキャップ Col.E.R.Bradley H (芝GⅢ、4歳上、8.5ハロン)は soft と重い芝コースに3頭がボイコット?して6頭立て。映像も最終オッズも情報が入っていませんが、去年このレースを制したチョコレート・ライド Chocolate Ride がどうやらイーヴンの1番人気に支持されていました。
2番人気(2対1)のウエスタン・リザーヴ Western Reserve が逃げ、チョコレート・ライドは2番手追走。しかし伸びたのは3番手を進んでいた3番人気(4対1)のグラニーズ・キッテン Granny’s Kitten で、逃げたウエスタン・リザーヴを首差捉えての優勝。チョコレート・ライドは2馬身半差離されての3着に終わり、連覇成らず。
マイケル・メイカー厩舎、ミゲル・メナ騎乗のグラニーズ・キッテンは、名前から分かるようにラムゼー夫妻の華麗なる自家生産馬で、これがG戦初制覇となる5歳馬。3歳時にはGⅠ戦に二度(ベルモント・ダービーとセクレタリアート・ステークス)挑戦しましたが何れも着外に敗れ、ステークスは去年9月パークスの一般ステークス(アルファベット・スープ・ハンデ)以来となります。前走12月の一般ステークス(バディー・ディリベルト・メモリアル)は3着で、通算ではこれが6勝目。

フェア・グラウンドの二つ目は、ルイジアナ・ダービーの前哨戦の一つとなるルコント・ステークス LeComte S (GⅢ、3歳、8ハロン70ヤード)。雨で馬場は muddy となり、1頭が取り消しての11頭立て。前走チャーチル・ダウンズでアローワンス戦に勝った2勝馬ゲスト・スイート Guest Suite が2.8倍の1番人気。
レースは2番人気(4対1)のランニング・メイト Running Mate が逃げましたが、6番手で待機したゲスト・スイートが直線で先頭に立つと、3番人気(5対1)のアントラップド Untrapped に1馬身4分の1差を付けて期待に応えました。半馬身差で3番手を進んだ5番人気(6対1)のテイクオフ Takeoff が3着。
ネイル・ハワード厩舎、ロビー・アルバラード騎乗のゲスト・スイートは、8月にカナダのエリス・パークでデビューして3着。2戦目となる10月にキーンランドで初勝利を挙げ、続くチャーチルの一般ステークス(ストリート・センス・ステークス)が3着。そして前走2歳終戦のアローワンス戦に勝ち、今期初戦でG戦もステークスも初勝利となりました。

一方、大統領選挙戦ではヒラリーを支持したカリフォルニアでは、サンタ・アニタ競馬場のサンタ・モニカ・ステークス Santa Monica S (GⅡ、4歳上牝、7ハロン)。GⅠ時代が長かった古馬牝馬の短距離戦で、今年は wet fast (Sealed) の馬場に僅か5頭立て。それでも去年のBCフィリー・アンド・メア・スプリントの覇者ファイネスト・シティー Finest City の参戦を見て、当然ながら2対5の断然1番人気。
そのファイネスト・シティー、スタートこそ遅れ気味でしたが、直ぐに1番枠から順位を上げての逃げ。これに3番人気(7対2)のファンタスティック・スタイル Fantastic Style が外から並び掛け、2頭が馬体を接して直線に入ります。しかしここからはBC馬の貫禄、徐々にライヴァルを突き放すと、最後はファンタスティック・スタイルに同道3馬身4分の3差を付けて人気通りの逃げ切り勝ちです。3番手を追走していた4番人気(22対1)のシーア・プレジャー Sheer Pleasure がそのまま首差の3着。
イアン・クラルジャック厩舎、マイク・スミス騎乗のファイネスト・シティーは、これでG戦2連勝、三つ目のG戦奪取となる5歳馬。より長い距離手も勝鞍こそないものの好走しており、今後は距離が伸びてのG戦にも積極的に挑戦していくとのこと。古馬牝馬GⅠ路線を賑わす1頭になるでしょう。

 

 

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