吉田氏の所有馬、無敗の連勝成らず

3連休中日のアメリカ競馬、昨日はサラトガとデル・マーで合計3鞍のG戦が行われました。どれも中弛みと言うようなマイナーG戦ではありません。

サラトガ競馬場ではプライオレス・ステークス Prioress S (GⅡ、3歳牝、6ハロン)一鞍。2013年まではGⅠにランクされていた3歳牝馬の短距離戦で、この時期になるとメッキリ数が少なくなってくる3歳牝馬限定のG戦です。その意味でも貴重なレースで、fast の馬場に10頭が出走してきました。プレッチャー師の管理馬で、マザー・グース・ステークス(GⅠ)を制して堅実なオフ・ザ・トラックス Off the Tracks が2対1の1番人気。
ダッシュが良かった2頭、8番人気(22対1)のルーシー・エヌ・エセル Lucy N Ethel と6番人気(13対1)のコニアー Coniah がハナを争いましたが、ルーシー・エヌ・エセルが競り勝っての逃げ、4番人気(6対1)のデアレスト Dearest が替わって2番手に上がって直線。デアレストが前を交わして先頭に立つ場面もありましたが、再び差し返したルーシー・エヌ・エセルが、最後はデアレストに半馬身差を付けての逃げ切り勝ち。最後方から追い込んだ7番人気(20対1)のタクリース Takrees が2馬身4分の3差で3着に入り、オフ・ザ・トラックスは6番手辺りを進むも首差の4着まで。
クロエ・ブラッドリー厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のルーシー・エヌ・エセルは、これで4戦4勝無傷で二つ目のG戦を獲得しました。去年11月にパークス競馬場でデビュー勝ちし、同じパークスのアローワンス戦と2連勝。今年1月にガルフストリームでステークス初挑戦のオールド・ハット・ステークス(GⅢ)に勝って長期休養入りし、今回は8か月振りの実戦だったため人気を落としていました。3年前ならGⅠ馬になった同馬、短距離に留まってBCスプリントを目指すのか、それとも距離延長に挑むのか・・・。

西海岸のデル・マー競馬場でも重要なG戦が2鞍。ジョン・C・メイビー・ステークス John C. Maybee S (芝GⅡ、3歳上牝、9ハロン)は、去年は8月8日に施工されていましたから、今年はほぼ1か月遅れでの開催となります。firm の芝コースに12頭が揃い、社台の吉田勝巳氏がアルゼンチンで購入した無敗のソブラドラ・インク Sobradora Inc が2対1の1番人気。8月7日にデル・マーでアメリカ・デビューの一般ステークス(オスニタス・ステークス)に勝ってヴェールを脱いだ4歳馬です。
5番人気(12対1)のグロリーザッパー Gloryzapper が逃げましたが、これを2番手で追走していた4番人気(7対1)のアヴェンジ Avenge が外から捉えて先頭で直線。外を通って5番手から追い込む5番人気(12対1)のファイネスト・シティー Finest City を頭差凌いで優勝。半馬身差で去年の勝馬、3番人気(6対1)のエレクトラム Elektrum が後方3番手から3着に食い込んでいました。吉田オーナー期待のソブラドラ・インクは中団を進みましたが5着同着に終わり、初黒星。
リチャード・マンデラ厩舎、フラヴィアント・プラット騎乗のアヴェンジは、これがG戦初勝利となる4歳馬。去年サンタ・アニタで一般ステークス(ウルトラフリート・ステークス)に勝っており、前走デル・マーのアローワンス戦に続く連勝。ここまでの通算成績は10戦5勝となります。

日曜日のメインは、夏の芝ダービーとして知られるデル・マー・ダービー Del Mar Derby (芝GⅡ、3歳、9ハロン)。2頭の取り消しがありましたが14頭立ての大混戦。ここ2戦芝コースを使って開花したブラックジャックキャット Blackjackcat が、意外にも3対1の1番人気。
レースは10番人気(30対1)のミスター・ローニー Mr. Roany の逃げで始まりましたが、2番手に付けていた7番人気(11対1)のフリー・ローズ Free Rose が第3コーナー過ぎで先頭に立つと、3馬身のリードを持って直線。流石に最後は一杯になりましたが、後方4番手から追い込む3番人気(6対1)のラリス Ralis に半馬身差を付けるサプライズ。ハナ差で最後方から伸びた7番人気(11対1)のドレスド・イン・ヘルメス Dressed in Hermes が3着に食い込み、ブラックキャットジャックは6番手追走のまま6着に終わりました。
リチャード・バルタス厩舎、ノルベルト・アロヨ騎乗のフリー・ローズは、8月6日にラ・ホヤ・ハンデ(芝GⅢ)に勝ったのに続きG戦2連勝となったせん馬。これでデル・マー・ダービーは去年のオム Om に続いてマニングス Munnings 産駒が連覇したことになります。マニングスはウッディー・スティーヴンズ・ハンデ(当時はGⅡ)、トム・フール・ハンデ(GⅡ)、ガルフストリーム・スプリント・チャンピオンシップ(GⅡ)と何れも7ハロンのGⅡ戦に3勝したスプリンターで、その産駒は父より長い距離を克服しているのが面白い所でしょう。

 

 

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