遅れてきた良血馬

8月10日、アイルランドのレバーズタウン競馬場でバリーローン・ステークス Ballyroan S (GⅢ、3歳上、1マイル4ハロン)が行われています。2日前にコーク競馬場で行われたギヴ・サンクス・ステークスの牡馬版とでも言えるレースで、創設は牝馬版より早い1991年、今年が27回目に当たります。これまでデルモット・ウェルド厩舎が8勝と、断然の実績を残している一戦。
こちらも馬場は soft 、1頭が取り消して6頭立て。GⅠ馬が2頭出ていましたが、ヨハンネス・フェルメール Johannes Vermeer にしても、ウェルド厩舎のザ・グレイ・ギャッツビー The Grey Gatsby にしても、GⅠに勝ったのはかなり昔のこと。この2頭では前走インターナショナル・ステークス(GⅢ)で久し振りに勝ったヨハンネス・フェルメールの方が信頼できそうということで、こちらが4対5の1番人気。2頭出しオブライエン厩舎でライアン・ムーアもこちらを選びました。

先ず飛び出したのは4番人気(7対1)のグランデー Grandee でしたが、2ハロン進んだ所で2番手に付けていた3番人気(6対1)のスパニッシュ・ステップス Spanish Steps がハナを奪うと、後続を数馬身離して直線。前半3番手、半ばでは4番手に下げていたヨハンネス・フェルメールが直線で2番手に押し上げて逃げ馬を追いましたが、最後は半馬身差でスパニッシュ・ステップスが本命馬を抑えての逃げ切り勝ち。5番手から伸びた去年の勝馬で5番人気(8対1)のステラー・マス Stellar Mass が2馬身半差で3着に入り、2番人気(5対1)のザ・グレイ・ギャッツビーは又しても4着と凡走が続いています。
勝ったスパニッシュ・ステップスは、エイダン・オブライエン厩舎、シーミー・ヘファーナン騎乗の3歳馬。2頭で臨んだオブライエン師のワン・ツー・フィニッシュで、オブライエン師はこのレース5勝目、ヘファーナン騎手は2勝目となります。前々日のギヴ・サンクス・ステークス同様、3歳馬が古馬を抑える結果となりました。
同馬は今年6月、4戦目にしてゴウランの未勝利戦で初勝利を挙げ、いきなりフランスに遠征して前走パリ大賞典が9頭立ての9着。母はサンタ・アニタ・オークスやバレリーナ・ステークスなどGⅠに4勝したタービュレント・デサント Turbulent Descent で、父はガリレオ Galileo 、漸く血統に見合った馬に成長してきたという印象で、次走はヨークのグレート・ヴォルティジュール・ステークスになる予定。1マイル半以上の距離を必要とする、遅れてきたステイヤーと言えそうです。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください