オブライエン、同一GⅠ戦を16勝!!

昨日の日曜日はドイツ、フランス、アイルランドで代表的なGⅠ戦が行われましたが、ここではドイツ以外のG戦を紹介しましょう。先ずアイルランドから取り上げ、フランスは項を改めて。

good to firm のカラー競馬場で行われたG戦は2鞍。先に行われたのが2歳馬最初のアイルランドGⅠ戦となるフェニックス・ステークス Phoenix S (GⅠ、2歳牡牝、6ハロン)。8頭が出走し、エイダン・オブライエン厩舎は4頭出し。その常勝軍団を抑えて15対8の1番人気に支持されていたのは、前走レイルウェイ・ステークス(GⅡ)を勝って2戦無敗のベックフォード Beckford でした。
逃げたのはオブライエン厩舎の5番人気(11対1)ユーエス・ネイヴィー・フラッグ U S Navy Flag で、ベックフォードはスタンド側の4番手。本命馬とは反対、スタンドから遠い側を5番手で追走していた2番人気(2対1)のスー・ネーション Sioux Nation が鋭い瞬発力で抜け出すと、最後で懸命に差を詰めるベックフォードを半馬身抑える逆転勝利となりました。2番手を進んでいた3番人気(5対1)のアクトレス Actress が1馬身半差の3着。

1・3・4着は全てオブライエン厩舎、勝ったスー・ネイションは主戦ライアン・ムーアの選択でもありました。ムーアは前日アーリントン競馬場に遠征しており、翌日はアイルランドと神出鬼没。スー・ネイションは前走ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)を人気薄で制した馬で、これでG戦2連勝となります。
ところでオブライエン師、何とフェニックス・ステークスは俄かには信じられないような数字の16勝目。初めて勝ったのは1998年ですが、そこから一気に6連覇。1年置いて2連覇、また1年置いて3連覇と続き、2011年と2013年は勝てなかったものの2012年にも優勝。そして2014年から4連覇で通算16勝、計算は合っていますか?
騎乗したムーアは、去年のカラヴァッジョ Caravaggio に続く連覇で2勝目。父スキャット・ダディー Scat Daddy も同じく2年連続となります。同馬は基本的にはスプリンターで、来年のコモンウェルス・カップのオッズはレース前の20対1から8対1に上がりました。

オブライエン師の見解では、もし7ハロンもこなせるようなら次走はナショナル・ステークス、6ハロン以下に留まるならミドル・パーク・ステークスになる模様。次走に注目ですが、あくまでもスピードを武器にするタイプだけに、渋った馬場は避けることになりそうです。

カラーのもう一鞍も短距離戦のフェニックス・スプリント・ステークス Phoenix Sprint S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。1頭が取り消して10頭立てとなり、11対4の1番人気に推されたのは、やはりオブライエン/ムーアのワシントン・ディーシー Washington DC 。G戦の常連ながら未だ勝鞍は無く、GⅢで何とかG戦初勝利を挙げたいところでしょう。
レースは8番人気(12対1)のミスター・スカーレット Mr Scarlet と2番人気(4対1)キンベレラ Kimberella とのハナ争いで始まりましたが、1ハロンからはキンベレラの逃げ。前半は最後方、中間地点でも9番手で待機していたワシントン・ディーシー、末脚を爆発させると、5番手から伸びる6番人気(9対1)の僚友クーガー・マウンテン Cougar Mountain を半馬身抑えて漸くG戦初戴冠を果たしました。オブライエン師もワン・ツー・フィニッシュで、3着は3番手を進んでいた9番人気(20対1)の古豪ゴードン・ロード・バイロン Gordon Lord Byron が半馬身差。

オブライエン厩舎、フェニックスとは異なりこれが2勝目。ワシントン・ディーシーはこれまでリステッド戦に4勝していますが、今期に限ってもドバイの短距離GⅠで7着した後ネイヴァンでリステッド勝ち。続いてパレス・ハウス2着、テンプル6着、キングズ・スタンド15着、前走キング・ジョージ5着と、これまではG戦勝鞍に恵まれなかった4歳馬です。
これで一皮剥けるか、次はナンソープ・ステークスかヘイドック・スプリント・カップでGⅠ戦を目指すことになるでしょう。

なおオブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎手のコンビ、この日は第2レースの未勝利戦をメンデルスゾーン Mendelssohn でも制しており、ハットトリックを完成させました。

 

 

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