フランスではデットーリが激戦を制す!!
アイルランドに続いては、日曜日にドーヴィル競馬場で行われたG戦2鞍です。馬場は soft 。
こちらも先に行われたのがGⅠ戦で、1マイルの3歳・古馬による混合戦のジャック・ル・マロワ賞 Prix Jacques le Marois (GⅠ、3歳牡牝、1600メートル)。せん馬には出走資格がありません。今年は3歳馬5頭、迎え撃つ古馬は僅かに1頭と言う6頭立てで、前走ジャン=プラ賞でGⅠを制したゴドルフィンのサンダー・スノー Thunder Snow が17対10の1番人気に推されています。
そのサンダー・スノーが鞍上クリストフ・スミオンに導かれてスタートから先頭に立ち、逃げ切り策。残り100メートルまではまんまと作戦が図に当たったかに見えましたが、前半2~3番手に付けていた4番人気(4対1)のアル・ヴケイア Al Wukair と、出遅れたスタートから後方を進まざるを得なかった6番人気(151対10)のインズ・オブ・コート Inns of Court が並んで急襲、3頭が並んだところがゴール。
写真判定の結果、アル・ヴケイアが短頭差でインズ・オブ・コートを捉え、サンダー・スノーは短首差の3着でした。出走6頭の内3頭はアンドレ・ファーブル厩舎の管理馬でしたが、ファーブル師のワン・ツー・フィニッシュです。
アル・ヴケイアに騎乗していたのは、ランフランコ・デットーリ。デットーリは、この日アイルランドでGⅠを制した宿敵ムーアと共に前日はアーリントンで騎乗。翌日はフランスに飛んで激戦のGⅠ戦を勝ち、これまた名手の鑑ともいえる大活躍です。
アル・ヴケイアは、今期ジェベル賞(GⅢ)に勝って遠征した英2000ギニーで3着。暫く間を置いて臨んだ前走メッシドール賞(GⅢ)では古馬ターリーフ Taareef の2着に敗れていましたが、今日は2番人気(29対10)のターリーフ(5着)に雪辱してのGⅠ戦初勝利でした。
デットーリのコメントでは、重馬場が合っている同馬にとっての目標は10月のクィーン・エリザベス2世ステークスではないか、距離が伸びても2000メートルは守備範囲内ではないか、とのこと。どうしても馬場が重くなる秋こそ、アル・ヴケイアの季節と言えるのかもしれません。
ところでジャック・ル・マロワ賞、ファーブル師はこれが7勝目で、フランソワ・ブータン師と並びました。また1998年には、岡部幸雄騎乗のタイキシャトルが制したことでも記憶されるレースですね。
ドーヴィルのもう一鞍は、3歳牝馬の長距離戦ミネルヴァ賞 Prix de Minerve (GⅢ、3歳牝、2500メートル)。10頭が出走し、マロワを制したデットーリが騎乗するエラス・ルビー Elas Ruby が29対10の1番人気。ゴスデン厩舎が送り込んだ1頭で、前々走でニューバリーのリステッド戦に勝ち、前走マユレ賞(GⅡ)では3着でした。
3番人気(47対10)のゴッド・ギヴン God Given が逃げ、エラス・ルビーは先行。3ハロン地点では2番手まで押し上げた本命馬でしたが、結局はゴッド・ギヴンが後方から追い込む9番人気(26対1)のカラヤナ Calayana に1馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ち。同じく後方から追い込んだ6番人気(15対2)のレディ・モンドア Lady Montdore が首差の3着に入り、エラス・ルビーは更に頭差の4着に終わりました。
勝ったゴッド・ギヴンはルカ・クマニ厩舎、ジェイミー・スペンサー騎乗の英国馬で、4戦目にヘイドックで初勝利、続くニューマーケットのリステッド戦にも勝ち、これで3連勝でG戦初勝利となります。キングジョージを制したポストポーンド Postponed の半弟に当たる血統で、次はヴェルメイユ賞(GⅠ)で兄の跡を追いかけることになるでしょう。
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