病を克服した皇帝

イギリスに続いては、アイルランドのレバーズタウン競馬場で行われたデスモンド・ステークス Desmond S (GⅢ、3歳上、1マイル)。good 、所により good to yielding の馬場に9頭が参戦し、去勢手術を受けた後に今期初戦となるウインザーでリステッド戦に勝った英国馬モランド Morando が6対4の1番人気。
同じく英国から遠征してきた7番人気(12対1)のカスタム・カット Custom Cut が逃げ切りを図ってスタートから先頭を走りましたが、3番手に付けていた2番人気(6対1)のアレクシオス・コムネノス Alexios Komnenos がこれを捉え、後方から追い込んだ6番人気(10対1)のミュージック・ボックス Music Box に1馬身半差を付ける快勝。短頭差でカスタム・カットが3着に逃げ粘り、5番手を進んだモランドは4着まで。

フォッジー・スタック厩舎、クリス・ヘイズ騎乗のアレクシオス・コムネノスは、これが未だ4戦目と言うキャリアの浅い3歳馬。去年6月にカラーの7ハロン戦でデビュー勝ちした後、タイロス・ステークス(GⅢ)ではチャーチル Churchill の2着して将来を嘱望されていた程。
しかしナショナル・ステークス(GⅠ)を10日後に控えた9月初めに感染症に罹ってしまい、深刻な事態に。英国から腕利きの獣医が呼ばれて懸命の治療が行われましたが、競走馬として復帰できる確率は1割ほどしか無いという状態だったそうです。厩舎の努力の甲斐があり、今年7月1日に10ケ月のブランクを経て復帰し、前走カラーで1マイルのリステッド戦に3着。生涯4戦目にして晴れてG戦のタイトルを獲得しました。
そもそもの馬名は東ローマ帝国の初代皇帝アレクシオス・コムネノスに因んだ壮大なもの。大病を経験しただけに無理は禁物でしょうが、未完の大器として未だまだ活躍が期待されそうです。

 

 

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