セントレジャーに新たな候補

8月第3週の土曜日は英愛仏3か国で揃ってG戦が行われ、夫々が秋のビッグ・レースに向けた格好のトライアルを提供していました。国ごとに稿を分けてレポートしていきます。

先ずイギリスはニューバリー競馬場の2鞍。soft 、所により good to soft という馬場で、先に行われたジェフリー・フリーア・ステークス Geoffrey Freer S (GⅢ、3歳上、1マイル5ハロン61ヤード)は1頭が取り消して8頭立て。実績ではコロネーション・カップ(GⅠ)2着のフロンティアーズマン Frontiersman が1番でしたが、13対8の1番人気に支持されたのは、今期3戦3勝の3歳馬デフォー Defoe 。ここが本格化への試金石となります。
3番人気(9対2)のトゥー・エターニティー To Eternity が逃げ、残り2ハロンで2番人気(15対8)のフロンティアーズマンが先頭に立ちましたが、前半は最後方で待機していたデフォーが残り1ハロンで一気に抜けると、内で包まれながらも外に持ち出して追う4番人気(14対1)のウォール・オブ・ファイア Wall Of Fire に4分の3馬身差を付けて人気に応えました。フロンティアーズマンが3馬身半差の3着。

ロジャー・ヴァリアン厩舎、アンドレア・アッゼニ騎乗のデフォーは、2歳時の9月にエフォス・ラスでデビュー勝ちしたものの、2歳時はこの1勝のみ。しかし3歳になった今期はニューバリーのハンデ戦(10ハロン)、ヨークのハンデ戦(10.5ハロン)、そして前走ハミルトンのリステッド戦(11ハロン)とトントン拍子に3連勝し、G戦初勝利で連勝記録を4に伸ばしました。
ここは出走馬中唯一の3歳馬で、GⅠ入着の古馬を相手にしなかった以上、トップクラスを狙える馬。距離が延びる度にレース内容が上がってきていることでもあり、セントレジャーのオッズはレース前の11対1から7対1に上がりました。今年の3歳牡馬戦線は抜けた馬が不在。鞍上アッゼニは「ミスター・ドンカスター」と綽名されるほどセントレジャーとは相性が良く、この馬にも十分なチャンスがありそうです。

ニューバリーのもう一鞍は、7ハロンのハンガーフォード・ステークス Hungerford S (GⅡ、3歳上、7ハロン)。3頭の取り消しが出て8頭立て、今期初戦のダイアモンド・ジュビリー・ステークス(GⅠ)で4着した5歳馬リブリサ・ブリーズ Librisa Breeze が13対8の1番人気。
逃げたのは5番人気(8対1)のイブン・マリク Ibn Malik でしたが、3番手を進んでいた6番人気(12対1)のマサート Massaat が残り1ハロンで先頭に立つと、中団化に伸びる本命リブリサ・ブリーズに1馬身4分の3差を付ける逆転劇。半馬身差で4番人気(6対1)のナスラ Nathra が3着に入りました。

勝ったマサートは、これが何と1年と8日振りの実戦。去年3歳時には2000ギニーで2着した実力馬で、そのあとダービーが9着、夏にソールズベリーで行われたソヴリン・ステークス(GⅢ、7着)で故障し、ここが1年振りの復帰レースとなっていました。
オーウェン・バロウズ厩舎、ジム・クロウリー騎乗の4歳馬で、クラシック2着の実績。勝負はこれからで、秋の大一番クイーン・エリザベス2世ステークス(GⅠ)に14対1のオッズが提示されました。

 

 

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