2016クレイヴァン開催3日目
今年から3日間開催になったニューマーケット競馬場のクレイヴァン・ミーティング、最終日の昨日は2鞍のG戦が行われました。馬場は3日間共に good to soft 。
先ず短距離路線の幕開けを告げるアバーナント・ステークス Abernant S (GⅢ、3歳上、6ハロン)は1頭が取り消して11頭立て。去年は2日目に組まれていたレースです。
3歳馬の参戦は無く4歳から9歳までのスプリンター、去年9月のベットフレッド・スプリント・カップ(GⅠ)3着がメンバー中では最も高く評価されたマジカル・メモリー Magical Memory が3対1の1番人気。
最低人気(50対1)のステッパー・ポイント Stepper Point が逃げましたが、ゴールでは5頭が横一線に並ぶ大混戦。写真判定の結果、本命のマジカル・メモリーが6番人気(10対1)のトゥーピ Tupi に首差で優勝し、更に首差で4番人気(7対1)のマトムー Mattmu が3着。
そのあとはハナ差で8番人気(16対1)のエオラス Aeolus が入り、頭差の5着には5番人気(9対1)のマーレク Maarek が食い込んでいました。1着から3着までは何れも先行していた馬たちですが、目立ったのは追い込んで4・5着に入った2頭でしょうか。
マジカル・メモリーはチャールズ・ヒルズ厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗の4歳せん馬で、これがG戦は初勝利。上記の様に昨シーズンの終戦となったベットフレッド・スプリント・カップがそれまでの最高のレースで、その前にはグッドウッドの伝統あるハンデ戦、スチュワーズ・カップを制していました。
ヒルズ師によれば同馬は未だ100%仕上がっていたわけではなく、最後はバテ気味だった由。せん馬でもあることからシーズンはこの先も長く、シーズン末には海外のGⅠ戦を目標にするとのことで、次走はヨークのデューク・オブ・ヨーク・ステークスになるとのことでした。
開催最後のG戦は、文字通りクレイヴァン・ステークス Craven S (GⅢ、3歳牡せん、1マイル)。去年までは牝馬にも出走権がありましたが、そもそも牝馬が参戦することはほとんど無く、今年は牡馬とせん馬に限定。6頭が出走し、去年のレーシング・ポスト・トロフィー(GⅠ)で3着と初黒星を喫したファウンデーション Foundation が4対6の断然1番人気。前走は大きな不利があっての敗戦だけに、冬場の2000ギニー本命に挙げられている同馬の走りに注目が集まっていました。この開催で絶好調のジョン・ゴスデン厩舎、デットーリ騎乗。
スタートから先手を取ったのは5番人気(25対1)のスティール・オブ・マドリッド Steel of Madrid でしたが、2ハロン地点からは最低人気(33対1)のトニー・カーティス Tony Curtis が先頭。これを直後で見ていたファウンデーションが残り2ハロンで抜け出して楽勝かに見えましたが、後方で我慢していた2番人気(9対2)のストーミー・アンタルティック Stormy Antartic の末脚が爆発、残り1ハロンで大本命を外から交わすと、ファウンデーションに2馬身半の決定的な差を付けて優勝。半馬身差で4番人気(12対1)のショーグン Shogun が3着で流れ込みました。
勝ったストーミー・アンタルティックはエド・ウォーカー厩舎、ジョージ・ベーカー騎乗で、陣営でも本命馬に大差を付けて勝つとは思っていなかった様子。去年はウインザーとアスコットで2着を続け、サンダウンの7ハロンで初勝利。続くニューバリーの1マイル戦を連勝してフランスに遠征、GⅠ戦のクリテリウム・インターナショナルでヨハンネス・フェルメール Johannes Vermeer に頭差2着で惜敗していました。
GⅠ2着という実績もあり、これがG戦初勝利。16日後に迫った2000ギニーのオッズは40対1から14対1に上がりましたが、ウォーカー師は本番でも雨が降って欲しいとコメント。決して重馬では無いそうですが、速い馬場は未知数とのことです。
一方ファウンデーションのゴスデン師は、敗戦にもレース内容には満足の様子。元々2000メートルが最適の馬と考えているようで、2000ギニーはパスして次走はダンテ・ステークスとの意向だそうです。狙いはダービーでしょうか。
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