カラーのGⅢ戦3題と、

8月最後の日曜日は、カラー競馬場でもG戦が3鞍行われました。それ以外にも楽しみな話題がありましたので、盛り沢山でレポートしましょう。
この日の馬場ですが、直線コースは yielding 、所により good 。ラウンド・コースは good という微妙な状態でした。

先にG戦から行くと、最初のフレーム・オブ・タラ・ステークス Flame Of Tara S (GⅢ、2歳牝、1マイル)は7頭が出走し、オブライエン/ムーアのコンビで目下2連勝中のバレー・シューズ Ballet Shoes が2対7の圧倒的な1番人気に支持されています。
2番人気(7対1)のブラック・セイルズ Black Sails が逃げ、3番手を進んだバレー・シューズが残り2ハロンで先頭に立った時には大本命の楽勝と思われましたが、意外や4番手から伸びた3番人気(10対1)のリキッド・アンバー Liquid Amber が残り200ヤードで大本命を交わすと、そのまま5馬身の大差を付ける番狂わせとなりました。5番人気(14対1)のサムタイムズアダイアモンド Sometimesadiamond が2馬身差で3着。

ウィリー・マクリーリー厩舎、ビリー(ウイリアム)・リーが騎乗したリキッド・アンバーという馬は、8日前にカラーの1マイルでデビューして2着だった馬。未勝利ながらいきなりG戦に挑戦して大本命を破ったのは、初戦の後余りにも状態が良かったからとのこと。そもそもオーナーはニアルコス・ファミリーという老舗ですから、将来性は確かなものでしょう。
1000ギニーに25対1というオッズが提示されましたが、同馬は今期はこれで終戦とし、来春じっくりとクラシックを目指して調整していくというコメントが出されました。

次は同じ2歳戦でも、短距離戦のラウンド・タワー・ステークス Round Tower S (GⅢ、2歳、6ハロン)。8頭が出走し、ここもオブライエン/ムーアのユーエス・ネイヴィー・フラッグ U S Navy Flag が5対4の1番人気。初勝利に手間取りましたが、前走GⅠ戦でも4着と成長著しいものがあります。
殆どの馬が馬場の良いスタンド側を走りましたが、3番人気(9対2)のボール・ガール Ball Girl だけが馬場の中央を選びます。スタンド側の先頭を走った本命馬、3番手を追走していた2番人気(7対2)のランドシャーク Landshark に6馬身の大差を付けての逃げ切り勝ち。只1頭我が道を行ったボール・ガールが首差の3着でした。

勝ったユーエス・ネイヴィー・フラッグは、5戦目にカラーの6ハロンで初勝利。しかし次のジュライ・ステークス(GⅡ)で2着し、前走フェニックス・ステークスが4着とG戦に勝つ準備は整っていました。そもそも未勝利馬時代にもロイヤル・アスコットのコヴェントリー・ステークス(GⅡ、14着)に挑戦しており、GⅠ馬ローリー・ポリー Roly Poly の全弟という血統の良さも魅力。
2000ギニーのオッズは66対1で、先物買いしておくのも一手かもよ。スピードのあるタイプで、次はミドル・パーク・ステークスが有力です。

カラーのG戦、最後はスノー・フェアリー・フィリーズ・ステークス Snow Fairy Fillies S (GⅢ、3歳上牝、1マイル1ハロン)。15頭と頭数が揃い、11対4の1番人気には2頭が並びました。1頭は例によってオブライエン/ムーアのレイン・ゴッデス Rain Goddess 、もう1頭は英国からサー・マイケル・スタウト師が送り込んだ5歳馬のインティメーション Intimation 。
4頭出しオブライエン厩舎の8番人気(20対1)キー・トゥー・マイ・ハート Key To My Heart が逃げてペースを作り、2番手に付けたレイン・ゴッデスが期待通り抜け出すと、中団8番手からこれも人気に応えて追い上げたインティメーションに半馬身差を付けて快勝。人気を分けた2頭のワン・ツー・フィニッシュでした。6番手を進んだ4番人気(8対1)のドーン・オブ・ホープ Dawn Of Hope が半馬身差の3着。

3歳馬レイン・ゴッデスは、前々走愛オークスでイネイブル Enable の2着しましたが、前走アメリカ遠征のビヴァリー・D・ステークス(GⅠ)では期待を裏切って8着に終わっていました。2歳時はデヴィッド・ウォッチマン師が管理してレパーズタウンの7ハロンでデビュー勝ちしていましたが、1戦1勝で転じたオブライエン厩舎ではこれが初勝利。今期は仏1000ギニー5着、プリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)でも2着しており、GⅢとは言いながらG戦に勝ったことは極めて重要です。
アスコットのブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ・アンド・メア・ステークス(GⅠ)のオッズは、レース前の16対1から12対1に上がりましたし、アメリカのBCシリーズに出走する可能性もあります。

ところでこの日、カラー競馬場では日本でも話題になりそうなレースが他に2鞍ありました。
先ず第1レースの14頭立て新馬戦はエイダン・オブライエン厩舎のサクソン・ウォリアー Saxon Warrior という馬が制しましたが、この馬はディープインパクト産駒。母はモイグレア・スタッド・ステークス(GⅠ)に勝って英1000ギニー3着のメイビー Maybe という良血で、来年の2000ギニーに16対1のオッズが出ました。

そしてもう一つが、第6レースのアイリッシュ・ケンブリッジシャー・ハンデ(1マイル)に25対1で勝ったイルーシヴ・タイム Elusive Time 。こちらは児玉敬師が調教している馬で、恐らく児玉師にとっては最も栄誉ある勝利だと思われます。

 

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