シンシナティ交響楽団のプロムス・デビュー

ボヘミアの古い宗教改革に因んだ作品を聴いた後は、新天地アメリカからやって来た老舗オケのプロムス・デビューへとバトンタッチされます。

8月27日 ≪Prom 58≫
バーンスタイン/交響組曲「波止場」
コープランド/リンカーンの肖像
     ~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第5番
 シンシナティ交響楽団 Cincinnati Symphony Orchestra
 指揮/ルイ・ラングレー Louis Langrée
 語り手/チャールズ・ダンス Charles Dance

最初のプロムナード・コンサート、現在のプロムスが行われたのは1895年ですが、シンシナティ交響楽団が最初の演奏会を開催したのも同じ1895年。今回が、同オケのプロムス・デビューというのも因縁物語の一つでしょう。
指揮するのは、2013年から音楽監督を務めているルイ・ラングレーです。

前半はアメリカ作品を並べました。特に今年は新しい大統領が誕生したことでもあり、その記念の意味もありそう。
バーンスタインとコープランド、私は2冊のスコアを久し振りに書棚から引っ張り出してきました。殆ど初めて譜面を開くような新鮮ささえ感じたほどです。

改めてスコアを読みましたが、バーンスタインの暴投冒頭で吹かれるホルンのソロには「音が髙過ぎるようであればトランペットで代用」とあり、次の練習番号2からのトランペット・パートについても「音が髙過ぎるようであればオーボエで代用」と指示があります。
もちろん現在はプレイヤーの技術が向上しており、今回シンシナティの面々もオリジナル通りに演奏していました。演奏技術の向上は世界的な傾向で、アメリカでも波止場が書かれた1955年には配慮が必要だったということでしょう。

次のコープランドは、シンシナティ響が初演した作品なんですね。シンシナティ響は現監督ラングレーとも録音(ナレーターはマヤ・アンジェロウ)していて、NMLで聴くことが出来ます。
今回ナレーターを務めるダンスは、英国の俳優。この分野は無知ですが、007シリーズ、「そして誰もいなくなった」などのクリスティーもの、テレビ・ドラマ「刑事フォイル」などにも出演しているそうですから、一度は見たことがあると思います。

後半のチャイコフスキー、楽章間の休みを殆ど入れないので、プロムスではしばしば起きる拍手は入りません。
アンコールは、バーンスタインのキャンディード序曲。

 

 

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