SQW2008-2009ガレリア開幕

ウェンズデイのWがウィークエンドのWに変わって、最初のコンサートを、晴海の第一生命ホールで聴いてきました。実際にはウィークエンドじゃなく、祝日の午後です。
入りが心配なシリーズですが、今日はかなり埋まっていました。1階席は7割位でしょうか、もう少し入っていたかな。教授たちのクァルテットということで、プレアデスQはそれなりに集まるのです。
プレアデス・ストリング・クァルテット
《ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲演奏会Ⅳ》
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番へ長調作品59-1「ラズモフスキー第1番」
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品130
ベートーヴェン/大フーガ変ロ長調作品133
 第1ヴァイオリン/松原勝也
 第2ヴァイオリン/鈴木理恵子
 ヴィオラ/川崎和憲
 チェロ/山崎伸子
どうです、凄いプログラムですね。プレアデスのベートーヴェン・チクルスも4回目、今日は白眉かも知れません。
前回の感想でも触れましたが、メンバーの並びがチェロを右端に置くスタイル。この並びで定着するのか、それとも作品の立体性に配慮した配置なのか。
作品130は、第6楽章をロンド・ソナタの楽章で演奏し、全曲終了後に大フーガを演奏するというパターンを選択しました。大フーガを本来の終楽章として演奏するやり方が主流になった感もあるので、この軽快なフィナーレは返って新鮮に感じられました。
プレアデスのベートーヴェンは、極めてオーソドックス。奇を衒うような表現はないし、人を驚かせるような斬新な解釈も、派手な演出もありません。
その分、安心して聴いていられる心地良さが魅力でしょう。物足りなく感ずる向きもあるかもしれません。
しかし3連休の最終日、心身ともにリラックスした休日の午後に楽しむベートーヴェンには、正にピッタリ来ますね、というのが率直な感想。
私事ですが、オーケストラやオペラでかなり緊張したコンサートが続いていた耳にとって、これは丁度良い「修正」になりました。いわば耳の洗濯。また明日からのヘビー級コンサートに備えられます。
と言って勘違いしないでくださいね。プレアデスが癒し系だったわけじゃありません。それはそれは素晴らしいベートーヴェンで、作品130を聴いて何の感動も無いわけがありません。
例のカヴァティーナの感動的な「歌」。何度聴いても心を揺さぶられます。そして久し振りの軽快なロンド。他に何が要るでしょうか。
ヘビー級プログラムを爽やかに、安定した構成感と共に再現してくれたプレアデスにブラヴォ! 彼らのベートーヴェン・チクルスもあと2回になってしまいました。
なお、今日は早くも来シーズンの日程が発表されています。フェスタはカルミナ四重奏団が4回と、今年のパオロ・ボルチアーニ・コンクールの覇者、べネヴィッツ・クァルテットの初登場。
ガレリアは、常連の古典、プレアデス、エルデーディ、エクセルシオに加え、カントゥス・クァルテットが初めてこのシリーズに登場する予定です。

 

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