ロシア革命100年、トリは

このところ様々な指揮者とオケによるロシア音楽プログラムが続いてきましたが、その最後となるのが6日に行われたロンドン・フィルの演奏会。首席ユロフスキーがロシア革命に因んだプログラムを披露しました。
このコンビは近々来日予定だそうですから、このプロムスを聴いて予備知識を深めておくのも良いでしょう。

9月6日 ≪Prom 71≫
ストラヴィンスキー/葬送の歌
ストラヴィンスキー/ヴォルガの舟歌
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第1番
     ~休憩~
ブリテン/ロシアの葬列
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 London Philharmonic Orchestra
 指揮/ヴラディーミル・ユロフスキー Vladimir Jurowski
 ヴァイオリン/アリーナ・イブラギモーヴァ Alina Ibragimova

上記のように、全てロシア革命に繋がる音楽。特に1917年に関係あるストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチと3大作曲家の作品をズラリと並べます。

冒頭の葬送の歌は最近再発見されたもので、ブージーからスコアも出版されたばかり。私はこの譜面未だゲットしていませんが、いつかは手に入れたいと考えているもの。我が国でも確かサロネンが既に日本ツアーで演奏したのしゃなかったでしょうか。
引き続きストラヴィンスキーで、ヴォルガの舟歌は正に1917年の作品。革命直後は、従来のロシア国歌の代わりに演奏されていたのだそうで、僅か33小節の短い音楽。オーケストラといっても弦楽器のないブラスバンドで、スコアはペトルッチで見ることが出来ます。

続くプロコフィエフの協奏曲も、1917年の作曲。ソロのイブラギモーヴァはソリストの他にキアロスクーロ・クァルテットも率いていて、私も鶴見サルビアホールで間近にその演奏を楽しみました。
イブラギモーヴァのアンコールは、イザイの無伴奏ソナタ第5番の第1楽章 l’Aurore でした。

後半はブリテンの小品から始まりますが、これもロシア革命と繋がりがあり、ロシア革命で倒れた人たちへの哀歌。革命歌「同士は倒れぬ」に基づく葬送行進曲で、正にこの革命歌がショスタコーヴィチ第11番交響曲の第3楽章で主題として登場するのですね。
もちろんこの交響曲は、1905年の第1次革命をテーマにした大曲。さすがのプロムス客席も、曲が終わってから暫くは沈黙が支配していました。

 

 

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