2017ニューマーケット9月開催3日目

今年のニューマーケット9月開催も最終日を迎えました。9月30日は9月の最終日でもあります。この土曜日はフランスでも凱旋門賞フェスティヴァルが始まりましたが、未だ土曜日はニューマーケットがメインでしょう。2歳のG戦3鞍をレース順に紹介していきます。

good to soft と相変わらず重いニューマーケット競馬場、最初に行われたロイヤル・ロッジ・ステークス Royal Lodge S (GⅡ、2歳牡せん、1マイル)は、1頭が取り消して5頭立て。前走レバーズタウンでジュヴェナイル・ステークス(GⅢ)に勝って2連勝中のネルソン Nelson が5対6の1番人気。前走まではドナック・オブライエンが騎乗していますが、今回は初めてライアン・ムーアが手綱を取ります。
3番人気(7対2)のミルデンバーガー Mildenberger が逃げ、ネルソンは2番手追走。スタンドから遠い側でネルソンが先頭に立ちましたが、馬場の中央の後方に控えていた2番人気(11対4)のロアリング・ライオン Roaring Lion がスタンド側にふらつきながらも末脚を炸裂させると、内外離れたゴール板では首差で本命馬を交わしていました。ミルデンバーガーが1馬身4分の3差で3着。

勝ったロアリング・ライオンはジョン・ゴスデン厩舎、オイジン・マーフィー騎乗の無敗馬で、これで3連勝。8月にニューマーケットでデビュー勝ちし、前走はケンプトンのポリトラック戦に追加登録しての2連勝。ここも追加登録して参戦し、ここまでの3戦は何れも1マイル戦です。
この勝利を受け、来年の2000ギニーとダービー共に新しく25対1のオッズが出されました。このあとはドンカスターのレーシング・ポスト・トロフィーか、アメリカ遠征してBCジュヴェナイル・ターフになるそうですが、BCのオッズは6対1に上がりました。来年のダービーでマーフィー騎手に初騎乗、初勝利をプレゼントすることが出来るか。

そしてここからは2歳のGⅠ戦で、共に6ハロン戦。最初は牝馬版のチーヴリー・パーク・ステークス Cheveley Park S (GⅠ、2歳牝、6ハロン)。2頭が取り消して11頭立てとなり、ここはオブライエン厩舎が只1頭で臨むG戦2連勝のクレンミー Clemmie が15対8の1番人気に推されています。
逃げたのは8番人気(33対1)のトレジャリング Treasuring 、これをクレンミーと3番人気(4対1)のディファレント・リーグ Different League が追走し、残り2ハロンでは先ずディファレント・リーグが先頭。しかし坂を上って残り1ハロン、クレンミーが格上の末脚を発揮すると、ディファレント・リーグに1馬身4分の3差を付けて見事人気に応えました。同じく先行していた4番人気(8対1)のマドリーヌ Madeline が1馬身半差の3着。

エイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗のクレンミーは、GⅢ(グランジソン・スタッド・ステークス)、GⅡ(ダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス)と勝ち進み、遂に字Ⅰ戦ダッシュでG戦3連勝。1000ギニーのオッズは4対1に上がり、現時点の本命に躍り出ました。このレースは6ハロンですが、血統的にはチャーチル Chrchill の全妹。距離は全く問題なく、走る度に成長が見られることから、来年のギニー戦線の主役になることは間違いないでしょう。このあとBCに遠征するのか、留まって来年に備えるのか、オブライエン厩舎のラッドたちが判断することになるでしょう。

ニューマーケット9月開催の最後は、2歳牡馬の6ハロンGⅠ戦ミドル・パーク・ステークス Middle Park S (GⅠ、2歳牡、6ハロン)。登録通り12頭が出走し、オブライエン厩舎は4頭を参戦させてきましたが、7対2の1番人気に支持されたのはオブライエン軍団以外のベックフォード Beckford 。8月にフェニックス・ステークス、9月にはナショナル・ステークスと、2戦続けてGⅠ戦で2着している堅実さが評価されていました。
5番人気(8対1)のヘイ・ジョーンジー Hey Jonesy が逃げましたが、ゴール前はコース一杯に広がっての大接戦。馬場の中央を通って6番人気(10対1)のユー・エス・ネイヴィー・フラッグ U S Navy Flag が残り1ハロンで先頭に躍り出ると、外から迫る10番人気(25対1)のフリート・レヴュー Fleet Review に半馬身差を付けるサプライズとなりました。やはり先行していた8番人気(14対1)のカードシップ Cardship が2馬身4分の1差で3着に入り、中団に付けていたベックフォードは5着敗退。上位人気馬総崩れのミドル・パークです。

終わって見ればエイダン・オブライエン厩舎のワン・ツー・フィニッシュでしたが、主戦ライアン・ムーアが選んだ3番人気(11対2)のスー・ネイション Sioux Nation は6着に敗れており、やはり波乱であることに違いはありません。
ユー・エス・ネイヴィー・フラッグにはシーミー・ヘファーナンが騎乗しており(2着はドナック・オブライエン)、前走ラウンド・タワー・ステークス(GⅢ)に続くG戦2連勝でGⅠ戦初タイトル獲得です。人気が無かったとはいえ、今年フォルマスとロッシルドでGⅠ戦に2勝し、愛1000ギニーでも2着したローリー・ポリー Roly Poly の全弟に当たる血統。母の父がガリレオ Galileo ということで、2000ギニーに33対1、コモンウェルス・カップにも16対1のオッズが出されました。次のニューマーケット開催で行われるデューハースト・ステークス(GⅠ)に向かう可能性もあるようです。

 

 

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