2017ニューマーケット・ジュライ開催初日
7月13日の木曜日から3日間、ニューマーケット競馬場のジュライ・コースを使って伝統のジュライ・ミーティングが行われます。3日間でG戦は7鞍と少なめですが、最終日に行われる短距離の頂上決戦ジュライ・カップが開催のハイライトとなります。
初日のG戦は3鞍、馬場は夏らしく good で、第1レースのバーレーン・トロフィー Bahrain Trophy (GⅢ、3歳、1マイル5ハロン)は近年、セントレジャーへのトライアルとしての性格を強めているようです。2011年の勝馬マスケッド・マーヴェル Masked Marvel はそのままレジャーに勝ちましたし、去年のレジャー馬ハーバー・ロウ Harbour Law はバーレーン・トロフィーでは4着でした。
今年は9頭が出走し、未だ4戦3勝ながら前走、ロイヤル・アスコットの長距離ハンデ戦(キング・ジョージ5世ステークス)を快勝してG戦クラスと評価の高いアッティー・パース Atty Persse が11対4の1番人気に推されていました。
8番人気(20対1)のソフィアズ・ロック Sofia’s Rock が逃げ、アッティー・パースは中団に待機。残り3ハロンで本命が動き始めましたが急速に失速、替わって同じ中団から伸びた2番人気(7対2)のラヒーン・ハウス Raheen House が残り1ハロンで先頭に立つと、好スタートから控えて先行していた5番人気(11対1)のデザート・スカイライン Desert Skyline に1馬身差を付けて優勝。逃げたソフィアズ・ロックが半馬身差の3着に粘り、アッティー・パースは大きく離された9着最下位で入線しています。
勝ったラヒーン・ハウスはブライアン・ミーハン厩舎、ジェイミー・スペンサー騎乗で、これがG戦初勝利。勝鞍は2歳時ヨークの未勝利戦以来ですが、その年のレーシング・ポスト・トロフィー(GⅠ)に挑戦した(4着)ほどの期待馬。前走のロイヤル・アスコットではキング・エドワード7世ステークス(GⅡ)に挑んで4着しており、これでセントレジャーに弾みが付きました。レース後のオッズは10対1から12対1と、ブックメーカーによってバラつきがあります。
続く第2レースが2歳戦のジュライ・ステークス July S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)。12頭と頭数も揃い、前走2戦目で同じニューマーケットの6ハロン戦に5馬身差で初勝利したばかりのインヴィンシブル・アーミー Invincible Army が3対1の1番人気。
オブライエン/ムーアのコンビながら5番人気(10対1)のユーエス・ネイヴィー・フラッグ U S Navy Flag が逃げ粘る所、馬場の中央を選んで走った4番人気(8対1)のカードシャープ Cardsharp が追い上げ、粘るユーエス・ネイヴィー・フラッグを1馬身4分の3差交わしての快勝です。アスコット初日のコヴェントリー・ステークス(GⅡ)勝ちのペナルティー3ポンドを背負って2番人気(100対30)のラジャシンガ Rajasinghe が4分の3馬身差3着と意地を見せ、2番手を追走したインヴィンシブル・アーミーはそのあと、4着に終わりました。
マーク・ジョンストン厩舎、ジェームス・ドイル騎乗のカードシャープは、既にこれが6戦目で勝鞍も三つ目。5月にブライトンで新馬勝ちし、エプサムのダービー開催ではウッドコート・ステークス(条件戦)で2着。更にビヴァリーの条件戦にも勝って、前走ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)でも3着していました。
来年の2000ギニーに33対1のオッズが出ていますが、コモンウェルス・カップのオッズは20対1。このオッズが示すように、1マイルのクラシックよりはスプリンター、という見方が現実的と思われます。
初日最後のG戦は、第4レースに組まれていたプリンセス・オブ・ウェールズ・ステークス Princess of Wales S (GⅡ、3歳上、1マイル4ハロン)。1頭が取り消して6頭立てとなり、ゴドルフィンの上昇馬で前走コロネーション・カップで2着に食い込んだフロンティアーズマン Frontiersman が5対4の1番人気。
同じゴドルフィン、同じチャーリー・アップルビー厩舎の僚友で2番人気(7対2)のホークビル Hawkbill が逃げ、フロンティアーズマンは4番手から。逃げたとは言えホークビルはGⅠ馬、本命馬も期待通り末脚を伸ばして逃げ馬に迫りましたが、ここはキャリアの差。結局はホークビルがフロンティアーズマンに4分の3馬身差を付ける逃げ切り勝ちとなりました。5番手から追い込んだ4番人気(7対1)のアルゴメーター Algometer が3馬身4分の3差で3着。アップルビー/ゴドルフィンのワン・ツーは陣営の期待通りでしたが、着順が入れ替わればもっと良かったのかも。
ジェームス・ドイルが騎乗したホークビルは、言うまでもなく去年のエクリプス・ステークス優勝馬。今期はフランス遠征のガネー賞5着から始動し、5月ニューバリーのアストン・パーク・ステークス(GⅢ)に優勝。コロネーション・カップではフロンティアーズマンの次の3着に甘んじ、前走再びフランス遠征のサン=クルー大賞典では6着。二度の遠征競馬は結果が出ませんでしたが、これで今季は二つ目のG戦勝ちとなります。
今月末のキングジョージにも期待が掛かりますが、陣営は大一番にはフロンティアーズマンで挑む意向のようです。夏場は休み、秋に備えるというのがホークビルのローテーションになるでしょう。
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