騒がしくなってきたロンシャン

この週末は凱旋門賞が行われることもあって、日本でもマスコミが騒がしくなってきました。メイショウサムソンは勝てるのかッ。
英国競馬ファンとしては、その前のニューマーケット・ケンブリッジシャー・ミーティングの方が気になります。今日はミドル・パーク・ステークスとチーヴリー・パーク・ステークス、二つの2歳馬GⅠがありますからね。
でもまぁ、凱旋門についても触れておきましょう。
出るの出ないの、毎年のことですが、どうやら17頭が最終的に登録を済ませたようです。枠順も今日のうちに発表されるでしょう。
いろいろな世評がありますが、今年は極めてオープンな凱旋門賞と言えそうです。つまり、どの馬が勝ってもおかしくない。抜けた存在はいませんし、人気を集めている馬にも死角が多い。ひょっとすると日本の国旗が挙がるかも知れん。
1番人気はザルカヴァですが、男馬との競馬を経験していない、というのが不安材料ですね。これまで圧勝続きですが、ピークを維持できるか、という問題もある。2.75倍くらいですが、唯一の3歳牝馬でどうでしょうか。
オブライエンの2強がこれに続いています。GⅠ5連勝のデューク・オブ・マーマレイドとソルジャー・オブ・フォーチュン。
デュークの場合、実績は文句無いのですが、馬場状態に注文が付きそうです。パンパンの良馬場なら有利ですが、どうも当日は雨が降るらしい。オブライエンさんも今一つ強気になれない様子。
歴戦の疲れが出るのが凱旋門賞の恐いところで、ザルカヴァもデュークも決して無縁ではないでしょう。
そこを考えれば、ソルジャー・オブ・フォーチュンは恐い存在です。騎乗停止中のキーレン・ファロン騎手が、今年乗るならこの馬、と発言しています。
サンクルー大賞典で負けましたが、それ以来凱旋門に的を絞って調整されてきました。馬の状態も気持もフレッシュに迎えられるのは大きな脅威です。
今年のフランス・ダービー馬ヴィジョン・デタも一部では支持を集めているようです。トライアルを勝ちましたが、それほど強い印象を与えていません。線が細く、あまり間隔を詰めて使えないのも不安材料でしょう。そもそも今年の3歳牡馬のレヴェルがどうか、という疑問も残ります。
毎年の凱旋門では思わぬ馬が好走する事例が多いですね。これに該当するのが何頭もいるので困ります。
万年2着のユームザイン。去年も2着でしたね。調教師のシャノンさんは、今年の8月に交通事故に遭い、九死に一生を得ました。まだ完治していませんが、往年のサッカーの名選手ですから、競馬界以外からも注目される存在です。
もしユームザインが勝てば、感動的な馬物語が生まれるでしょうね。心情的には勝たせたいし、勝っても不思議じゃありません。
ゲタウェイも恐そう。あのウルマン男爵の持ち馬ですから、去年のマンデュロの雪辱を思わずにはいられません。今期はまだ4戦しかしていませんが、前走のドーヴィルではしっかりドーヴィル大賞典を制してピークを持ってきました。ファーブル調教師のマジックが炸裂するか。
英国のスタウト厩舎が送り込む2頭、パパル・ブル(またはペイパル・ブル)とアスクも虎視眈々でしょう。僅かなところでGⅠに届いていませんが、そういう馬が凱旋門賞では走るんです。
特にキングジョージ2着のペイパル・ブルからは目が離せません。
その意味では、ザンベジ・サンも無視できる存在じゃありませんね。馬場次第では大きく浮上してくる可能性もあります。
ゲタウェイ同様、元ドイツ馬のシャパレルリも雨を待ち望んでいる1頭です。凱旋門の常連であるゴドルフィンが今年挑戦する唯一の馬。デットーリ騎乗ですから、これも陣営では密かに狙っているはず。
オブライエン厩舎は、ペースメーカーを2頭用意しているようです。ソング・オブ・ハイアワサとレッド・ロック・キャニオン。ここまでは考えなくともよいでしょうが、先日のチーム・タクティクス・ルールのこともあり、意識的に道を開けるような戦術は取らないはず。あわよくば、か。
それ何? という馬も何頭か見受けられます。
直前になって決して廉くない追加登録料を支払ったのがカムシン。どうやら当日は馬場が渋りそう、ということで判断してきました。今年のドイツ・ダービー馬ですが、前走のドイツGⅠ、バーデン大賞典でも古馬を破っています。
シーマ・ド・トリオンフはイタリア・ダービーの覇者。パリ大賞典は7着惨敗でしたが、前走のイタリア国内のトライアルを順当に勝っての参戦です。
馬主は日本の吉田照哉氏。お馴染シャダイの勝負服です。日本ではほとんど報道されていないようですけど・・・。
ブルー・ブレジルという3歳馬は、フランスダービーのトライアルで2度2着、本番のダービーは13着という馬。どれかのペースメーカーでしょうか。
イッツ・ジーノというのも初めて聞く名前。ドイツのGⅡ勝ち馬で、前走バーデン大賞典はカムシンの3着という成績。平均ペースの馬だそうです。
以上に混じってのメイショウサムソン。実力差を測る物差しは全く無く、それこそやってみなければ判りません。
鞍上の武くんは何度もロンシャンを経験していますが、凱旋門賞を見る限りでは有利な材料とは見なされていないようですね。さて、どうなりますか。

 

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