仏セントレジャー3連覇成らず

菊花賞が行われた昨日の日曜日、フランスでも菊花賞に相当する仏セントレジャーが行われましたが、10月22日にサン=クルー競馬場で行われたG戦は2鞍。

先にフロール賞 Prix de Flore (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)から紹介しましょう。馬場発表は good to soft でしたが、その後にもザッと雨が降り、馬場は発表以上に重かったようです。11頭が出走し、前走ロワイヤリュー賞(GⅡ)で2着したリッスン・イン Listen In が、今度こそG戦獲りのチャンスと言うことで7対5の1番人気。

そのリッスン・インが1番枠スタートを利してスタートから逃げ切る作戦に出ましたが、内の3番手に待機した4番人気(97対10)のインティメーション Intimation が残り200メートルで外から本命馬を捉えると、2番手マークから伸びた7番人気(152対10)のドイツ馬ソン・マシア Son Macia に半馬身差を付けて優勝。人気のリッスン・インは1馬身4分の1差の3着に終わっています。
インティメーションを管理する英国のサー・マイケル・スタウト師は、この日が72歳の誕生日。ミケール・バルザロナの好騎乗が勝利をプレゼントしました。今年5歳の同馬は、これで繁殖に上がる予定。去年はグッドウッドのリステッド戦勝利で締め括り、今期はナースのリステッド戦2着、スノー・フェアリー・ステークス(GⅢ)2着、アタランタ・ステークス(GⅢ)5着、前走ダーレー・クラブ・ステークス(GⅢ)6着と使い、前走からは僅か8日後のフランス遠征でした。敢えて連闘に踏み切ったのは、彼女にとって重馬場が好走の条件だったからだそうで、繁殖入り寸前にG戦タイトルに届いたことになります。

そしてロワイアル=オーク賞 Prix Royal-Oak (GⅠ、3歳上、3100メートル)。日本の菊花賞とは異なり、現在は古馬にも解放されたGⅠ長距離戦。今年は3頭の3歳馬が参戦して9頭立てとなりましたが、ここは仏セントレジャーを連覇しているヴァジラバド Vazirabad が4対5の断然1番人気に支持されていました。もし3連覇となればレース史上初めてのことです。
レースは7番人気(27対1)のブランドン・キャッスル Brandon Castle k の逃げで始まり、残り1000メートルでは替わって2番人気(9対2)のホールドタシグリーン Holdthasigreen が先頭。流れの変わり目で2番手に上がった3番人気(51対10)のアイス・ブリーズ Ice Breeze が残り500メートルで一気に先頭に立った所に、前半は後方で待機していたヴァジラバドが外から追い詰めます。一旦は先頭に並び掛けた本命馬でしたが、そこからの一伸びを欠き、最後はアイス・ブリーズがヴァジラバドを1馬身4分の1差退けての戴冠となりました。ホールドタシグリーンが2馬身差の3着。

パスカル・ベイリー厩舎、ヴィンセント・シェミノー騎乗のアイス・ブリーズは、前走ショードネー賞(GⅡ)に続くG戦2連勝となった3歳馬。馬齢重量の8ポンド差を味方に付けての勝利でしたが、一昨年のヴァジラバドも同じ条件でした。ベイリー師、シェミノー騎手共にロワイアル=オーク賞は初制覇。アイス・ブリーズに付いては凱旋門賞ウィークのレポートで紹介しましたが、春はオカール賞(GⅡ)に優勝し、パリ大賞典が4着。ニエル賞(GⅢ)で4着した後、凱旋門賞は避けてショードネー賞に向かっていました。

 

 

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