キーンランドの秋開催が閉幕

10月最終週のアメリカ、ブリーダーズ・カップ・シリーズを翌週に控え、GⅡとGⅢを中心に3つの競馬場で5鞍のG戦が行われました。短期開催のキーンランド競馬場は、土曜日がフィナーレです。

最初はベルモント・パーク競馬場の3鞍から。最初のアセーニア・ステークス Athenia S (芝GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)は firm の芝コースに3頭が取り消して10頭立て。前走ノーブル・ダムゼル・ステークス(芝GⅢ)を含めて2連勝中のオフ・リミッツ Off Limits が4対5の1番人気。
8番人気(36対1)のジューノー Juno が逃げ、3番手を進んだオフ・リミッツが第4コーナーで前2頭を外から捉えると、4番手から更に外を回って追い込む4番人気(7対1)のマイ・インプレッション My Impression を首差抑えて人気に応えました。後方2番手から追い上げた2番人気(4対1)のエリシーズ・ワールド Elysea’s World が1馬身差の3着。
チャド・ブラウン厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のオフ・リミッツは、これで8月サラトガのアローワンス戦から3連勝。

続いてターンバック・ジ・アラーム・ハンデキャップ Turnback the Alarm H (GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)は、fast のメインコースに1頭が取り消して6頭立て。G戦4連勝を含む5連勝で臨んだケンタッキー・オークスで8着に敗れて以来の休み明けとなるミス・スカイ・ウォリアー Miss Sky Warrior が3対5の断然1番人気に支持されていました。
そのミス・スカイ・ウォリアーが逃げて直線も内ラチ沿いに粘りましたが、外から2番手でマークしていた4番人気(5対1)のヴァーヴス・テイル Verve’s Tale が交わして先頭。更に外から4番手に付けていた2番人気(7対2)のエスケンフォーマネー Eskenformoney が追い上げ、ゴール寸前でヴァーヴズ・テイルを頭差交わしての差し切り勝ち。5番手を進んだ3番人気(5対1)のバードアットザワイアー Birdatthewire が4馬身半差の3着に入り、ミス・スカイ・ウォリアーは久々が堪えたか4着に終わっています。
トッド・プレッチャー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のエスケンフォーマネーは、去年のオークスで10着だった4歳馬。去年もこのレースに出走して3着の後、12月にガルフストリーム・パークのランバート・ステークス(芝GⅢ)に優勝し、今期はパーソナル・エンサイン(GⅠ)とベルデイム・ステークス(GⅠ)で共に3着し、これがシーズン初勝利でした。彼女はこれを最後に繁殖に上がることになっていそうです。

ベルモントの最後は、ボールド・ルーラー・ステークス Bold Ruler S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。2頭が取り消して9頭立てとなり、去年のプリークネス3着馬で前走ケルソ・ハンデ(GⅡ)で2着したディヴァイニング・ロッド Divining Rod が2対1の1番人気。
最低人気(53対1)のグリーン・グラット Green Gratto が逃げましたが、6番手に付けていた去年の勝馬で3番人気(5対1)のストールウォーキン・デュード Stallwalkin’ Dude が直線で大外を回って一気に先頭に立つと、内ラチ沿いに切れ込んで逃げ切りを図ります。しかし最後方で待機していた6番人気(8対1)のトムズ・レディー Tom’s Ready が更に外から鋭く伸び、最後でストールウォーキン・デュードを4分の3馬身捉えて2連覇を阻みました。5番手を進んだ7番人気(22対1)のビーズレー Beasley がハナ差の3着に食い込み、人気のディヴァイニング・ロッドは4番手に付けるも5着に終わりました。
ダラス・スチュアート厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のトムズ・レディーは、去年のウッディー・スティーヴンス・ステークス(GⅡ)、アック・アック・ステークス(GⅢ)に続いてG戦は3勝目。8月のフォアゴー・ステークス(GⅠ)で3着、9月にはケルソ・ハンデでも3着しており、ディヴァイニング・ロッドとの着差を逆転した形です。このあともう一戦使い、来年からは種馬として供用される予定だそうです。

そして秋開催のグランド・フィナーレを迎えたキーンランド競馬場は、雨に祟られて sloppy の馬場。開催最後のG戦ファイエット・ステークス Fayette S (GⅡ、3歳上、9ハロン)は1頭が取り消して6頭立てとなり、前走チャーチル・ダウンズで行われたルーカス・クラシック(GⅢ)の覇者オノラブル・デューティー Honorable Duty が6対5の1番人気。
2番人気(2対1)のネオリシック Neolithic が逃げ、2番手でマークした4番人気(8対1)のザ・プレイヤー The Player が第4コーナーで外から並び掛けると、直線は2頭のマッチレース。半ばで逃げ馬を捉えたザ・プレイヤーが、最後はネオリシックを3馬身突き放しての優勝です。3着以下は大きく離され、6番手を進んだ3番人気(3対1)のマクラッケン McCraken が10馬身差で3着に入り、オノラブル・デューティーは6着最下位に終わりました。
ウイリアム・ブラッドリー厩舎、カルヴィン・ボレル騎乗のザ・プレイヤーは、これがG戦初勝利となる4歳牡馬。去年7月にインディアナ・ダービー(GⅡ)で2着したあと長期に休養し、今期は前走アック・アック・ステークス(GⅢ)で2着し、これがシーズン5戦目でした。

土曜日の最後は、サンタ・アニタ競馬場のトゥワイライト・ダービー Twilight Derby (芝GⅡ、3歳、9ハロン)。去年はBC初日のカードでしたが、今年は1週前に繰り上げられました。firm の馬場に2頭が取り消して9頭立て。前走デル・マー・ダービー(芝GⅡ)を制したシャープ・サムライ Sharp Samurai が2対1の1番人気。
ゆったりしたスタートから6番人気(7対1)のプロフィティアー Profiteer が先頭に立ちましたが、これを内でピタリとマークしたファースト・サムライが向正面で早くも内からスルスルと足を伸ばして先頭に立つと、直線でも後続馬を寄せ付けず、5番手から追い込む2番人気(7対2)のゴッグ・スコア Big Score に2馬身4分の3差を付けて堂々人気に応えました。3番手に付けていた4番人気(6対1)のボーウィーズ・ヒーロー Bowies Hero が半馬身差の3着。
マーク・グラット厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のシャープ・サムライは、6月サンタ・アニタの一般ステークス(レインボウ・ステークス)、8月デル・マーでラ・ホヤ・ハンデ(芝GⅢ)、前走デル・マー・ダービーと一気に4連勝。この圧勝で、芝コースの3歳馬では頂点を極めた印象で、もちろんBCは来年が目標となります。スティーヴンス騎手はトゥワイライト・ダービー6勝目。

 

 

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