古典四重奏団ベートーヴェン・ツィクルスVOLⅡ

たった今、タイトルの演奏会を聴いて帰ってきたところです。古典四重奏団によるベートーヴェン・ツィクルスの2回目。ツィクルスについては繰り返しません。第2回は作品18の残り3曲です。
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第6番変ロ長調作品18-6
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第5番イ長調作品18-5
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第4番ハ短調作品18-4
 古典四重奏団
今日は日曜日ということもあって、第1回よりは心持ち入っている感じ。休日の故か、客席もリラックスしている様子。私の気のせいかも知れませんが。
演奏の概要は前回と同じです。実に室内楽的な室内楽演奏。今日は全3曲が極めて均質な出来だったと思いますし、どの曲が突出して目立つということはなく、ベートーヴェンの作品の素晴らしさに改めて酔いました。
古典四重奏団はチューニングからがコンサートです。今日も丁寧に時間をかけていました。
第6番は第3楽章と第4楽章がアタッカ、第5番は第2楽章と第3楽章の間にチューニングをしただけ。
第4番では第3楽章と第4楽章をアタッカで続けました。(チョッと自信ありませんけど)
これらは全て計算されてのこと。ここに彼らの解釈を読むことが出来ます。
彼らが四重奏を専業にしている団体であること。それは全て暗譜による演奏であるというに止まらず、そのテンポ設定からも明らかでしょう。
例えば第6番の第3楽章。このリズムの極めて難しいスケルツォをこれだけのスピードで演奏できる凄さ。練り込みの深さ故に可能なことでもあります。
それは同曲第4楽章の最後、プレスティッシモに於ける超絶的スピードも同じことでしょう。4人の呼吸がここまでピタリと合ったクァルテット演奏、いつも聴ける類の合奏じゃあありませんよ。
もう一点。古典の演奏で特徴的なのは、聴いていて作品の形式が実に良く見通せること。ソナタ形式であれ変奏曲であれ、恐らくこれらの作品を初めて体験する人にも、“あ、変奏が始まった”とか、“これが第2主題だな”ということが自ずから判るはず。
もちろん4人が徹底的に楽譜を読み込み、お互いのコンセンサスを統一しているからこそ出来る至芸。これってホントに大変なこと、の筈です。
ということで、この日も素晴らしい室内楽を堪能しました。今日はまた聴衆が素晴らしい反応をしてくれましたね。拍手のタイミングが曲毎に異なる。それが絶妙なんですヨ。
次回はいよいよラズモフスキー3連発。聴き逃がせない一晩になるでしょう。

 

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