古典四重奏団ベートーヴェン・ツィクルスVOLⅢ

一言、疲れました。聴いていただけで疲れましたが、演奏していた人がいるのですから、呆れて“なんも言えねぇ~”
それでも少し書いておきます。
11月3日は晴れの特異日。例年なら小春日和になるのですが、今日は寒いというほどではないにせよ、空はどんよりとして冬そのものという感じでした。
晴海は中央区のイヴェントがあったようで、第一生命ホールのあるトリトンもいつもより賑わっていました。
そんな中、古典四重奏団のベートーヴェン・ツィクルスの3回目。前半の最終回で、後半は再来年に予定されています。今日のプログラムは、
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第7番へ長調作品59-1「ラズモフスキー第1番」
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第8番ホ短調作品59-2「ラズモフスキー第2番」
     ~休憩~
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲第9番ハ長調作品59-3「ラズモフスキー第3番」
 古典四重奏団
要するにラズモフスキー3連発。20分の休憩が2回入ります。
ラズモフスキーを一晩で全部やっちゃう、という話題性もあったのでしょうか、いつも以上に客席は埋まっていたようです。それでもまだまだ余裕はありますけどね。
ラズモ3連発は古典にとって初めてのことじゃありません。2002年のツィクルスもそうでしたし、他でもやっているかも知れません。私は2度目の体験。
前回は尻上がりに調子を上げていった、という印象が記憶として残っていますが、今回は特に2番と3番が圧倒的レヴェルの名演だったと思います。
演奏が終わった後、ホワイエに姿を見せた4人に盛んな拍手が沸き起こり、それが二度も繰り返されていました。
“凄かったですねぇ~”というのがこの日の客席の共通した感想でしょう。
私は2番、特に第3楽章の極めて速いテンポと独特な歌い回しを聴いていて、前回の感動を強烈に思い出しました。
レコードなどで聴いていた有名団体の演奏とは全く異なり、古典四重奏団独自の演奏スタイルを打ち立てた解釈。
この5部形式の3楽章から間髪を入れず終楽章に流れ込み、テンポは段階を追って次々に加速。聴くものに有無を言わせぬ説得力でベートーヴェンの凄さを突きつけるのでした。
このカルテット、只者じゃない、と感じたその時の印象、より鮮烈になった感じすら受けましたね。
これだけのベートーヴェンを聴かされると、もう何も言えません。
楽章一つ一つを丁寧に描き切る彼ら、3曲とも第3楽章と第4楽章は続けて演奏していました。これも前回と同じです。
ということで、圧倒されたというに尽きる古典四重奏団のベートーヴェン・ツィクルスが無事に終わりました。
午後3時開演で、終演は5時45分頃でしょうか。ホワイエでグズグズしていた所為かも知れません。サッサと帰る気にはなりませんでしたからね。

 

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