新年最初のG戦

テレビニュースなどでもご存知のように、ニューヨークなどアメリカ東海岸は年末年始にかけて大荒れの天気。もちろん競馬もキャンセルが相次ぎ、1月2日に予定されていたアケダクト競馬場のジェローム・ステークスも延期されたまま、いつ代替されるかも決まっていません。もともとジェロームは今年からリステッド戦に降格されたので本ブログで取り上げる積りではありませんでしたが、今年最初のケンタッキー・ダービーへのポイント対象だったもの。3歳最初の実戦をここでと考えていた馬も、出鼻を挫かれたことでしょう。

一方の西海岸、去年は雨のために芝のG戦がダートコースに替わるなどの波乱でスタートしましたが、2018年の1月6日は、予定されていた2つのG戦が無事に行われました。
サンタ・アニタ競馬場の最初は、シェイム・ステークス Sham S (GⅢ、3歳、8ハロン)。ジェロームに替わって今年最初のケンタッキー・ダービーのポイント対象(10-4-2-1)でもあります。fast の馬場に1頭が取り消して6頭立て。去年12月にロス・アラミトス・フューチュリティー(GⅠ)で僚馬ソロミニ Solomini が失格して勝ちを拾う結果となったマッキンジー McKinzie が1対5の断然1番人気。
そのマッキンジー、スタートは1番でしたが、直ぐに4番人気(14対1)オール・アウト・ブリッツ All Out Blitz に逃げを譲って自身は4番手の外に待機。第3コーナーを過ぎた辺りでスパートを掛けた大本命、第4コーナーで外から逃げ馬を捉えると一気に先頭に立ち、後はムチを入れることも無く、粘るオール・アウト・ブリッツに3馬身半差を付ける楽勝で人気に応えました。3番手を追走していた3番人気(6対1)のマイ・ボーイ・ジャック My Boy Jack が更に4馬身差の3着。
ボブ・バファート厩舎、マイク・スミス騎乗のマッキンジーは、これで3戦3勝。実質的に前走は2番手入線だったものの、記録上は無敗でダービー筆頭候補に名乗りを上げました。前走は最初から行きたがる素振りを見せた同馬でしたが、今回は初めてブリンカーを外し、落ち着いたレース内容。次走は3月10日のサン・フェリペ・ステークス(GⅡ)になる模様です。血統などに付いては、前走ロス・アラミトス・フューチュリティー(12月9日)のレポートをご覧ください。

この日のもう一鞍は、芝コースのサン・ガブリエル・ステークス San Gabriel S (芝GⅡ、4歳上、9ハロン)。去年は大雨のためダートに変更された一戦ですが、今年は予定通り firm の芝コースで行われました。10頭が出走し、前年の2着馬で前走BCターフでは7着していたイッツインザポスト Itsinthepost が2対1の1番人気。
レースは大外枠発走の最低人気(31対1)スモーキー・イメージ Smokey Image が外に膨れながらも思い切りよく先頭に立っての捨て身の逃げで始まりましたが、4番手に付けた本命イッツインザポストが第4コーナーの手前で2番手に上がると、外から逃げ馬を捉えて直線早くも先頭。最後方待機から大外を回って追い込む一昨年の勝馬で5番人気(6対1)フラムボヤント Flamboyant の急襲を1馬身4分の1差抑えて堂々期待に応えました。6番手を進んだ7番人気(17対1)のブラジル産馬エディトーレ Editore が4分の3馬身差の3着。
ジェフ・マリンズ厩舎、タイラー・ベイズ騎乗のイッツインザボストは、これがG戦4勝目となる6歳せん馬。去年のこのレースでは2着の後、同じサンタ・アニタ春開催でサン・ルイ・レイ・ステークス(芝GⅡ、12ハロン)に勝ち、4月のキーンランドでエルクホーン・ステークス(芝GⅡ、12ハロン)にも優勝。秋はサンタ・アニタのジョン・ヘンリー・ターフ・チャンピオンシップ(芝GⅡ、10ハロン)を制してBCに挑んでいました。今回はこれまで勝って来た長距離より短い距離でのGⅡ勝ちで、念願のGⅠ戦制覇も目前に迫って来た印象です。

 

 

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