2月第1週のアメリカ競馬(2)カリフォルニア

2月3日のアメリカ競馬、この項はサンタ・アニタ競馬場の4鞍を一纏めにします。

最初のパロス・ヴァーデス・ステークス Palos Verdes S (GⅡ、4歳上、6ハロン)は、fast の馬場に1頭が取り消して4頭立てと寂しい頭数でしたが、何と言っても去年のチャンピオン・牡馬スプリンターに選ばれたロイ・エイチ Roy H がシーズン初戦を迎えるとあって、1対5の断然1番人気。
先手を取ったのは3番人気(9対1)のレッド・ライトニング Red Lightning 、レース半ばからは2番人気(3対1)のアメリカナイズ Americanize が交わして先頭に立ちましたが、前の争いを4番手で冷静に見ていたロイ・エイチ、第4コーナーで外からまとめて前の馬たちを捉えると、最後は抑えてもアメリカナイズに3馬身半差を付けて圧巻のシーズン初戦を飾りました。1馬身4分の1差でレッド・ライトニングが3着。
ピーター・ミラー厩舎、ケント・デサーモ騎乗のロイ・エイチは、ここ7戦で6勝2着1回と実に安定した成績のスプリンター。サンタ・アニタ・スプリント・チャンピオンシップ(GⅠ)、BCスプリントに続く3連勝でアメリカには敵無し。このあとは3月10日にサンタ・アニタで行われるトリプル・ベンド・ステークス(GⅠ)を叩き、同月末のドバイ、ゴールデン・シャヒーンに遠征する可能性が強くなってきました。

続いてはクラシック・トライアルの一つとなるロバート・B・ルイス・ステークス Robert B. Lewis S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。9頭と頭数が揃い、前走シェイム・ステークス(GⅢ)で4着したシヴァーミーティンバース Shivermetimbers が2対1の1番人気。前半は4頭がハナを争う混戦となり、中から先頭を奪った4番人気(8対1)のロンボ Lombo 、絡むライヴァルを振り切ると、7番手から追い込む3番人気(9対2)のアヤカラ Ayakara に2馬身差を付ける逃げ切り勝ちです。2番手で先頭を争っていた8番人気(36対1)のダーク・ヴェイダー Dark Vader が2馬身4分の1差で3着に入り、3番手で先頭争いに加わったシヴァーミーティンバースはバテ、7着敗退に終わりました。
マイケル・ベンダー厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のロンボは、前走3戦目で未勝利を脱したばかり。いきなりのG戦勝ちで2連勝となりました。デビューはデル・マーでしたが、以後は全てサンタ・アニタでのレースです。

サンタ・アニタの3つ目は、firm の芝コースで行われたサン・マルコス・ステークス San Marcos S (芝GⅡ、4歳上、10ハロン)。1頭が取り消して7頭立てとなり、今期初戦のサン・ガブリエル・ステークス(芝GⅡ)を制しているイッツインザポスト Itsinthepost が4対5で圧倒的な1番人気。
7番人気(36対1)のミスター・ローリー Mr. Roary が逃げましたが、3番手に付けた本命イッツインザポストが第3コーナーを過ぎる辺りでスパートし、一気に先頭で直線。ここに急襲してきたのが5番手を進んでいた5番人気(14対1)のハヤブサ・ワン Hayabusa One で、外から並び掛け、ゴールでは先着したように見えましたが、写真判定の結果、イッツインザポストの頭が下がった所が丁度ゴール。ハナ差でしたが、辛うじて本命馬が期待に応えたという印象でした。尤も2頭には4ポンドのハンデ差があり、実力ではイッツインザポストが上、と解釈することが出来ましょう。
ジェフ・マリンズ厩舎、タイラー・ベイズ騎乗のイッツインザポストは、これが芝のGⅡ戦5勝目となる6歳せん馬で、当ブログの常連。去年はジョン・ヘンリー・ターフ・チャンピオンシップ(芝GⅡ)に勝って臨んだBCターフで7着してシーズンを終え、今期は幸先よくG戦2連勝となりました。

最後はサン・パスカル・ステークス San Pasqual S (GⅡ、4歳上、9ハロン)。去年は元旦の8.5ハロンで行われましたが、今年は2月の第1週に繰り下げ。9頭が出走し、去年のBCクラシック10着も、年末にマリブー・ステークス(GⅠ)で4着しているパーヴェル Pavel が2対1の1番人気。
レースはスタートから3頭が雁行する激しい先頭争い。最終的には4番人気(9対2)のトップ・オブ・ザ・ゲーム Top of the Game が逃げましたが、5番手追走から直線では内ラチ沿いギリギリを衝いて一気に抜け出した3番人気(7対2)のアクセルレート Accelerate が、6番手から追い込んだ6番人気(15対1)のプライム・アトラクション Prime Attraction に1馬身4分の3差を付けて優勝。先頭争いから3番手に控えた2番人気(3対1)のムブターヒジ Mubtaahiji が2馬身半差で3着に入り、人気のパーヴェルは首差4着に終わっています。
ジョン・サドラー厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のアクセルレートは、これがG戦3勝目となる5歳牡馬。去年7月にデル・マーでサン・ディエゴ・ハンデ(GⅡ)に勝って以来の勝鞍で、その間、パシフィック・クラシック(GⅠ)で3着、BCダート・マイルは9着、12月のサン・アントニオ・ステークス(GⅡ)では2着でした。3歳時にはロス・アラミトス・ダービー(GⅡ)に勝ってG戦初勝利を挙げ、その年のBCダート・マイルで3着。今年もBCで3度目の正直を目指すことになりそうです。

 

 

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