マルクス・シュテンツ、BBCウェールズを振る

プロムスは8週間の長丁場ですが、昨日25日のプロム9で最初の1週間が終わりました。適宜聴いて行く積りでしたが、結局最初の7日間は全て聴いてしまいました。
で、昨日は日本でもお馴染みのシュテンツがBBCウェールズを指揮した以下のプログラムです。

7月25日 ≪Prom 9≫
R.シュトラウス/ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
トビアス・ブロストレム Tobias Brostrom/ニグレード Nigredo:Dark Noght of Soul(2本のトランペットと管弦楽のための協奏曲)

     ~休憩~
ブラームス/交響曲第1番
 BBC National Orchestra of Wales
 指揮/マルクス・シュテンツ Markus Stenz
 トランペット/ジェローン・ベルワーツ Jeroen Berwaerts, ホーカン・ハーデンベルガー Hakan Hardenberger

このオーケストラ、日本では設立当初の楽団名をそのまま訳してBBCウェールズ交響楽団と呼んでいますが、現在はBBCウェールズ・ナショナル管弦楽団と呼ぶべきでしょう。日本の尾高忠明が首席指揮者を務めていたことでも知られています。

指揮のマルクス・シュテンツはN響との「さまよえるオランダ人」や定期演奏会、読響では第9の指揮者、新日本フィルでもヘンツェを指揮していますから実演を聴かれた方も多いでしょう。
私は生憎ナマでは聴いたことがありませんが、プロムスでは2014年にBBCスコティッシュを振ってラモーから現代作品まで幅広いレパートリーで登場したのを聴いていました。指揮棒を使わないマエストロですね。

前半の2曲目に演奏されたのは、1978年にヘルシングボルイで生まれたスウェーデンの作曲家・ブロストレムの新作で、今年の3月14日にスウェーデンのマルメ交響楽団で世界初演されたばかり、今回が2度目の演奏で、英国初演でもあります。それらを含めて作曲者のホームページをご覧ください。

http://tobiasbrostrom.com/

全体は3楽章から成り、最後はジャズ風で大いに盛り上がります。未だスコアは出ていないようですが、ブロストレムの出版社はゲールマンスなので、いずれ出版されれは nkoda で閲覧できるようになると思われます。
因みにブロストレムの作品ではスゥェーディッシュ・ソサエティーというレーベルから2枚組の作品集が出ていて、ハーデンベルガーとのトランペット協奏曲、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲を聴くことが出来ます。特にヴァイオリン協奏曲のソリストは日本人とカナダ人のハーフである五明カレンですから、ナクソスと nkoda に接続して楽しんでみては如何でしょう。

メインのブラームス、シュテンツはテンポを大きく動かすのが特徴で、特に第1楽章再現部の手前、練習記号Iでテンポを大きく落とす解釈は、最近では珍しい巨匠風の演奏と言えるでしょう。第1楽章提示部の繰り返しは実行していません。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください