BBC響首席客演指揮者のプロムス・デビュー
今週のプロムスはBBCのオーケストラ週間、スコティッシュ、マンチェスターのフィルハーモニーに続いてはホスト・オケのBBC交響楽団が登場しました。ファースト・ナイトとラスト・ナイトを仕切るだけでなく、音楽祭の間に何度も登場するBBC響、昨日は7月に首席客演指揮者に就任したばかりのスタセヴスカがプロムス・デビューを果たしています。
8月6日 ≪Prom 25≫
シベリウス/カレリア組曲
ワインベルグ/チェロ協奏曲
~休憩~
チャイコフスキー/交響曲第6番
BBC交響楽団
指揮/ダリア・スタセヴスカ Dalia Stasevska
チェロ/ソル・ガベッタ Sol Gabetta
私は初めて耳にした指揮者ですが、フィンランド人女性指揮者ながら生まれはウクライナのキエフとのこと。オーケストラの弦楽器奏者を経て指揮者になったそうですが、去年のノーベル賞授賞式のコンサートを指揮したことで俄然注目されているようです。プロフィールはこちら。指揮する映像なども確認することが出来ます。
https://www.harrisonparrott.com/artists/dalia-stasevska
フィンランド人ということで、最初は名刺代わりの1曲でしょう。
続くワインベルクは、今年生誕100年を迎える作曲家。プロムスでは毎年アニヴァーサリーを迎える作曲家の作品を集中して紹介していますが、これを皮切りに第3交響曲、室内楽プロムスでも弦楽四重奏曲第7番が演奏されることになっています。
今回がロンドン初演となるチェロ協奏曲はロストロポーヴィチに献呈された作品で、コントラバスのピチカートで始まるのが印象的。1948年に弦楽合奏が伴奏するコンチェルティーノとして作曲され、スターリンの死を受けて1956年にフル・オーケストラの協奏曲ヴァージョンとして改作したというもの。珍しい機会を楽しみましょう。
全4楽章、第3楽章の終わりに長いカデンツァが置かれていて、スコアは nkoda で閲覧することが出来ました。
ソロを受け持つガベッタは、サマーミューザで新日本フィルと競演したのを聴いたことがありますし、以前のプロムスでもエルガーを演奏しましたので改めて紹介するまでもないでしょう。女性チェリストと女性指揮者の共演ということでも話題を集めそうです。
アンコールはカザルス編曲のカタロニア民謡「鳥の歌」。オーケストラの3人のチェリスト共に奏でられました。
最後はチャイコフスキー最後の傑作。BBCフィルの二晩に続いてロシア音楽特集となりましたね。
楽章間も静かに聴いていたロンドンっ子たち、第3楽章で拍手喝采が爆発。それでも最後は10秒間の静寂を守り、新たな首席客演指揮者の就任を祝しました。
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