ルーマニアの新星、マチェラルー

今年のプロムスもそろそろ第6週目に入っていると思います。20数回のコンサートを残すのみですが、折角ここまで聴いてきましたから、もう少し頑張りましょう。
24日のプロムス48は、最近注目されているルーマニアの指揮者、クリスチャン・マチェラルーがプロムス・デビューを果たしました。

8月24日 ≪Prom 48≫
シルヴェストリ/弦楽のための3小品
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番
     ~休憩~
ラフマニノフ/交響曲第2番
 BBC交響楽団
 指揮/クリスチャン・マチェラルー Cristian Macelaru
 ピアノ/チョ・ソンジン Seong-Jin Cho

マチェラルーは、この秋からケルンのWDR交響楽団の首席指揮者に就任する俊英で、日本では未だ知られていない存在かと思われます。プロフィールをご覧ください。

マチェラルーがBBC響に客演して最初に披露したのは、名刺代わりの1曲。ルーマニアの大先輩指揮者にして作曲家だったシルヴェストリの作品です。今年が没後50年のシルヴェストリは、英国でもボーンマス響の首席として活躍しており、私も子供の頃にN響を指揮する姿を見たことがあります。指揮棒を右に左に持ち替えて忙しない印象でしたが、そのアゴーギグをたっぷり効かせた表現が独特の魅力を発散させていましたっけ。
今回の作品はノヴェロから出版されており、nkoda で閲覧可能。1930年に改訂した版による演奏で、作品4-2という番号が付けられています。

続いてプロコフィエフの難曲にチャレンジするのは、韓国の若手で日本でも人気のチョ・ソンジン。去年のショパンに続いて二度目のプロムスとあって、客席も大歓声で迎えています。念のためにホームページを紹介しておきましょう。

アンコールは、モーツァルトのピアノ・ソナタK332から第2楽章アダージョでした。
かつてラザレフが、プロコフィエフに一番しっくり合うのはモーツァルトと言っていましたから、ソンジンの感性の素晴らしさが判ります。

後半はプロムスの定番となっているラフマニノフの第2交響曲。この長大な作品を勝負曲にしている指揮者も多くなり、マチェラルーもその一人でしょう。さすがに第1楽章提示部はカットしていました。

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