ハーディングとパリ管の都会と田舎

25日のプロムスは、英国でベストセラーになっている「ロスト・ワーズ」という自然ものに因んだコンサートだったようで、この日はパス。一日休んで26日のプロムス50を聴きました。パリからパリ管を迎え、常任指揮者のハーディングが指揮します。

8月26日 ≪Prom 50≫
シューマン/歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲
ヴイドマン/バビロン組曲 Babylon Suite
     ~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第6番
 パリ管弦楽団
 指揮/ダニエル・ハーディング Daniel Harding

一見すると特段のテーマがあるようには見えませんが、プロムスの公式ホームページによると、どうやら都会と田舎という視点が隠されているのだそうな。もちろん得意とはヴィドマンが描く大都市バビロンであり、田舎とは文字通りベートーヴェンの田園交響曲でしょう。
その2曲に先立って演奏されたのが、シューマンの晩年の作品で唯一のオペラでもあるゲノヴェーヴァの序曲。これは至極普通の演奏でした。

続くイョルク・ヴイドマンの作品は、やはり歌劇「バビロン」の音楽を組曲風に繋ぎ合わせたもの。全体は通して演奏されます。
ショット社のペルーサル・スコアとして閲覧可能ですから、これを見ながら聴かれることをお勧めします。とは言っても譜面は相当に難しく、追いかけるだけでも一苦労。時折マーチになったり、ポビューラー・ソングのメロディーらしきものが出てきたりと、如何にもヴイドマンでしょう。もちろん、今回がプロムス初演。

後半はベートーヴェン。好き嫌いがハッキリ分かれるタイプのベートーヴェンで、私は好きになれません。これじゃパリ管弦楽団というより、パリ室内管かコンセール・ハーディングでしょ。
一点だけ文句を言えば、第1楽章の6連音符「タタタタタタ」が、何故「タータタタタタ」にならなきゃいかんの?

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